【 '93年事件 part.4
― 経緯と推移・会誌より ―
( VOL.57 / Oct 1993 ~ VOL.109 / Oct 1999 )
I N D E X
part.1 ‥‥ TIME TABLE (推移一覧)
part.2 ‥‥ NEWS報道関連
part.3 ‥‥ マイケルの声明 / 業界人・近親者のコメント
part.4 ‥‥ 関係者・近親者インタビュー  This Page
  ラリー・キング・ライブ ('93年12月上旬)   ラトーヤの記者会見/家族の緊急会見
  ラリー・キング・ライブ ('93年12月22日)   コクラン弁護士インタビュー ('94年半ば)
  マイケルと訴訟について ('98年4月14日)  スティーブ医師、療養中のマイケルを語る
part.5 ‥‥ 特集記事

【関連ページ】 アメリカ訴訟社会の問題点   一件を終えて…
独占インタビュー by.タラボレリ氏   マスメディアへの 『アクセス権』
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= ラリー・キング・ライブ ('93年12月上旬) =
( VOL.60 / Jan 1994 )

 アメリカのTV番組 「ラリー・キング・ライブ」で、バニティ・フェア誌のモーリン・オース女性記者が出演し、同誌の'94年1月号でのマイケルについて語りました。(少年の告発,マイケルの弁護士の反応,その他証人,マイケルの言葉,ネバーランドでの生活)
 この番組にはこの記者のほか、「Magic and Madness」(邦題「マイケルの真実」)の著者ランディ・タラボレリ氏、そしてマイケルの母キャサリンも出演しています。

―― … ラリー・キング(司会)   MO … モーリン・オース記者   RT … ランディ・タラボレリ氏
視 … 視聴者   KJ … 母キャサリン

[ ※ バニティ・フェアの記事 は次ページにあります ]

RT バニティ・フェアの記事は、スキャンダラス系の記事では最も片寄っていない記事だと思います。
この記事にも取り上げてありますが、マイケルを取り巻いている人たち - 家政婦・お手伝いという人たちの多くが、自分の話を金で売りたいと私に言い寄って来ました。スキャンダルのスライディング・スケールといったようなものです。500万なら話を1つ,700万なら話をもう1つといった感じです。
ですからマスコミは、マイケルの周りの人たちの言う事を全て鵜呑みにしないよう注意する必要があります。
モーリンも私も、よく解った事があるのです。それは、マイケルを取り巻いている人の中には疑わしい人がかなり居るという事があるのです。
ですから、原告側の弁護人がそういう人たちの証言を情報として発表するのは良くありません。宣誓をしたからといって事実しか言わないと思ったら大間違いなのです。
MO 取材中にお金は支払っていませんが、そういう申し出が多かった事はとてもショックでした。
マイケルに関係あると言っている人は特にひどくて、マイケルを子供時代から知っていると言う人は、お金をもらわない限りは話をしないと言うし…。
RT 彼は、アメリカに戻って来て 訴えを受けて立つと私は思っています。
彼はみんなに言われているような弱虫ではありません。自分で大きな会社を運営していますし、長い間大金を稼いできました。問題から逃げるような人にはそんな事は無理なのですから…。
―― マイケルは12歳の子供のような暮らしをしていると言われていますが…。
RT マイケルは2つの人格を併せ持っていると思います。
本当に12歳の子供と変わらないところがある一方で、抜け目のない やり手のビジネスマンの顔を持っています。長年、様々な厳しい決断を下し、冨を築き上げてきました。
MO 私も、タラボレリ氏の言うようにマイケルはすごいビジネスマンだと思います。
私が興味深かったのは、マイケルが5人のボディガードから訴えられた時のことです。
マイケルは、その事について何も聞けない状態であったという一方で、数億円もの契約を結ぶ別の仕事をしたという発表が同時期にあったという事ですから。
  (視聴者から電話質問が番組に入る)
このスキャンダルですが、これは少年と犬の物語と言えます。
犬というのはマスコミのことで、でしゃばりでスキャンダルを出来る限り長引かせ、マイケルを食いものにしようとしているマスコミ全体の事です。
なぜモーリンさんは、「小さな男の子」という言葉を使うのですか? なぜ「原告」と言わないのですか。
あなたは、いかにも自分は悪いことをしていないという顔をしながら、この雑誌で名を上げようとしているのではないですか!
MO これが虐待の訴えであり、原告が子供だからです。
そして私は、自分に与えられた仕事をしているだけです。
―― マスコミの捉え方は正しいと思いますか。
MO マイケル自身、マスコミがかなりの部分作り上げた存在なのです。
ジャクソン一家は、これまで一貫してマスコミを利用してきました。お互いさまです。
RT 全く同感です。
…ただ、ある事ない事すべてスキャンダラスに書き立てるようなタブロイド誌と、モーリンの記事とを同じように思って欲しくありません。
問題は、この数ヶ月間に様々な情報がタブロイド誌などに流れ、今度は一般紙までもが取り上げた事にあると思うのです。
実際は、ある少年が虐待されたという訴えを起こした、という事以外に私たちは何も知らないのですから。
―― なぜ、こんな大騒ぎになったのでしょうか?
RT それは、マイケルがこれまでずっと長い間、謎に包まれた存在だったからなのです。今、誰もが彼の本当の姿が見え始めたと思っているからなのです。
彼はこれまで、なかなか本当の姿を見せる事はありませんでした。性的にどうなのか,整形手術の事など、判らない事だらけだったのです。
その謎のベールが今、やっと剥がれ始めたのです。
―― キャサリンさん、これまでのモーリンの話をどう思いますか?
KJ 少年の話については、私は認められません。本当ではないからです。私は、両方の側からの取材をすべきだと思うからです。
彼女は、マイケル側に立つ人からの話を何ひとつ聞いていません。
そしてマイケルの家族が取材に際してお金を要求するというのはウソです。
MO ジャクソン家に取材しようとしましたが、返事が無かったのです。
マイケルの事務所に電話しても返事はありませんでした。ボブ・ジョーンズ(当時のマイケル広報担当)にも申し入れました。
KJ 彼は私の代理人ではありません。私の代理人はエージョン・マグラクリンです。
―― モーリン、あなたはマグラクリン氏を知っていますか?
MO 知りません。
―― キャサリン、明日モーリンがマグラクリン氏に取材を申し込めばあなたはそれに応じますか?
KJ いいえ。今は応じるつもりはありません。
いま私が言いたかったのは、マスコミがいろいろと騒ぎ立てていて今回こんな事になったのもマスコミのせいだという事です。マスコミが私の息子を悪人に仕立て上げたのです。
情報は一方通行で、マスコミは訴えが不当である事も、テープの事も触れていません。頭の中にあるのは、“マイケルは有罪だ”という事だけなのです。これは間違っています。
陪審員を選ぶのも大変難しいと思います。皆が息子を有罪だと思っているからです。
MO 有罪が証明されるまでは無罪のはずですよね。それに起訴されていません。
1つ言っておかなくてはなりません。それは、マイケル側が少年の父親により不当な訴えをされたと主張している点です。その事も記事の中に詳しく書いてあります。
少年の父親はマイケル側に、合わせて2千万ドル(約20億円)以上を要求しています。
―― キャサリンさん、今マイケルはどうしていますか?
KJ 元気です。帰って来ますよ。回復しています。
―― この少年とは、友情という事なのでしょうか?
KJ そうです。マイケルは子供たちみんなの友達なのです。
よく聞いて下さい。マイケルは、これまでの4回のツアーの収入すべてを子供たちのために寄付してきたのです。VICTORYツアー以来すべての収入をです。
マイケルが子供を傷つけたりするような事があると思うのですか ?!
MO 私には判りません。
ネバーランドは、見ようによっては世界一お金持ちの少年愛の倒錯のものの為とも言えるし、マイケルがそんな事をしないというのなら、彼ほど子供を愛している人はいないと言えるでしょう。
―― モーリンさん、これからどうなるのでしょうか?
MO マイケル側の弁護士は、警察の捜査が終わるまでは民事訴訟を延ばそうとしましたが、これは認められませんでした。
従って、これから民事裁判が始まるわけですが、刑事事件で証人の証言が食い違えば容疑を立証するのは非常に困難だということを頭に入れておく必要があります。特に有名人の場合はそうなのです。
―― タラボレリさん、マイケルは帰って来ると思いますか?
RT もっともっと強いマイケルになって帰って来ると思います。
そしてマイケルの家族や友人が、長い間マイケルが求めていた救いの手を差し伸べてくれるよう望みます。
マイケルは、これから新しい人間として生まれ変わると思います。

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= ラトーヤの記者会見 / 家族の緊急会見 =
(ダイジェスト)
( VOL.60 / Jan 1994 )

 ラトーヤが、イスラエルのテルアビブで '93年12月8日、記者会見をしました。
ラトーヤ マイケルの “純粋な子供たちへの犯罪”に、沈黙をする協力者にはなれないのです。
黙っていれば、私がこの子供たちと同じように辱められてしまうのです。
私は、子供たちの親に渡す小切手を見たことがあります。
ゴードン マイケルが、ラトーヤに 「話したら殺す」と言って脅したんだ。
(※ジャック・ゴードン = ラトーヤの夫でマネージャー)



 ジャクソン家はこの放送を受け、エンシノ邸の前で緊急会見を開き、これを否定しています。
母キャサリン ラトーヤは、自分がウソをついている事を判っているはずです。
あんなひどい事を言う目的はお金です。多分、今の動きに便乗しようとしているのでしょう。夫と称するゴードンはそうやってお金を稼いでいるのですから。
父ジョゼフ ラトーヤの発言はバカげている。自分の弟を告発するなんて…。
ジャーメイン 目的はお金です。
自分がマイケルの姉である事により、みんなが自分の話に耳を傾けると判った上でそんな事を言っているのです。
ここ4~5年で彼女の言う事が妥当ではないと解ってきました。発言に信憑性などありはしません。

少年側弁護士 ラトーヤに、この事を証言するよう要請しています。
ラトーヤ これ以上、純粋な子供たちが犠牲になるのを見たくないのです。
マイケルを愛していますが、それ以上に、人生をズタズタにされた子供たちの方が可哀想で… と思っています。
母キャサリン 私の実の娘が、あの欲の皮のつっぱった男(ゴードン氏)とともに自分の弟の不幸を元手にひと儲けしようとするのですから…
情けなくて涙が出ます…。

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= ラリー・キング・ライブ ('93年12月22日) =
( VOL.61 / Feb 1994 )

 12月22日、マイケルの無実を訴える声明中継の後にマイケル側の2人の弁護士ハワード・ワイツマン氏とジョニー・コクラン氏が米CNNの超人気番組ラリー・キング・ライブに出演し、疑惑事件について語りました。
 まさに “当事者”の発言ですから要注目。 視聴者交えての対談の様子を、ノーカットでお届けします!

―― … ラリー・キング(司会)  HW … ハワード・ワイツマン弁護士  JC … ジョニー・コクラン弁護士
視A~視E … 視聴者

―― ハワード、あなたとマイケルとは古い仲だと思いますが、ジョニーが弁護団に加わり不満に思っていませんか?
HW 全くそんなことはありません。
ジョニーとは30年来の友人で、昔は一緒に弁護の仕事をしたこともあります。彼は素晴らしい弁護士です。
―― ジョニー、マイケルは何故TV出演したのですか?
JC 長い間マスコミに攻撃され、勝手なことをたくさん言われ、もううんざりしたという事です。
彼は外国から1週間前に帰国し、先週の金曜日に裁判所からどこまで話して良いかという指示を受け、マイケルは今日TVで推定無罪だという事だけでなく、疑惑に対して無実であるという事をはっきり伝えるべきだと判断したのです。
―― ハワード、あなたには芸能界で有名な依頼人がたくさんいるはずですが、今回のマスコミの狂乱ぶりをどう思いますか?
HW 今回のような状況は初めてです。
彼はさんざん痛めつけられ、噂がまかり通り、憶測が事実かのようになってしまいました。
そして今日のTV出演で人々は、マイケルが無実で健康的で疑惑に立ち向かう強い意志を感じ取ったと思います。
―― では、マイケルの話をおさらいしましょう。
捜査令状によって、裸にされ身体検査を受けたという事を証明して下さい。
JC この捜査で捜査官は、マイケルの性器・臀部・そして体中を写真撮影しました。
これは許し難いことで、彼は屈辱を味わいました。しかし無実を証明するために、これに耐えたのです。
―― この捜査は、少年がマイケルの身体に模様があると証言した為に行なわれた訳ですが、他にどのような捜査が考えられますか。
JC いろんな捜査が考えられます。
マイケル自身も白斑という皮膚病にかかっている事を認めており、なぜ彼を裸にして身体検査をする必要があるのか解りません。もっと人間らしいやり方があったはずです。
マイケルも、今回の経験は人生の中で最悪だったと言っていましたが、その気持ちは理解できると思います。
―― その身体検査に、あなた方は立ち会ったのですか?
JC はい。私たち2人はそばにいました。
そして我々も気が動転し、怒りを感じました。
―― その捜査令状に、法的に抵抗することは出来なかったのですか?
HW 捜査令状は、送られてくるまでその内容を知る事は出来ません。
令状が送達される前に異議を唱えることも考えましたが、結局やめました。そしてその捜査令状の内容について当局と交渉しようとしましたが、彼らは令状の内容を実行すると主張しました。
つまり、問題は、捜査令状の内容が我々には事前に判らなかった事なのです。
―― 彼らは、身体の写真を撮ったのですか?
JC そうです。
見知らぬ人に、無実にも関わらず裸の写真を撮られるという事は最悪で、その気持ちを解って戴けると思います。
マイケルはとても人目を嫌い、とても謙虚で、白斑の病気を持っており、これはとてもつらい経験だったはずです。
―― 捜査の理由についての説明はありましたか?
JC いいえ、彼らは令状を見せるだけで、説明はありませんでした。
また我々は、マイケルの写真が外部に漏れてしまうのではないかと心配しています。情報のために人々はお金を惜しまないのです。もしマイケルの写真が外部の手に渡れば、大変なことになってしまいます。
写真が撮られてしまった事はどうすることも出来ませんが、我々は非常に不満に感じています。
―― ハワード、少年側の弁護士は 「少年がTVに出演すれば一般の人々が少年を好意的に受け止めるはずだ」 と言っていますが、少年のTV出演についてはどう思いますか?
HW これは、そういった人々に媚びへつらうといった問題ではありませんが、少年のTV出演には反対はしません。
マイケルがTV出演を決めたのは、公平に闘うためなのです。マスコミの取り上げ方はこれまでマイケルに不公平で、我々はマイケルが帰ってきた時、彼は無実だと示す必要があると判断したのです。
これからマイケルは、これまで同様、無実を証明しようと試練に耐えるつもりなのです。
―― 今日のTV出演は役に立ちましたか?
JC かなり役に立ったと思います。
これは視聴者が判断する事ですが。
―― 何か反応はありましたか?
JC はい。彼の発言は前向きで、彼はもう隠れることをやめ、アメリカ人に向かって自分は無実であると公言して、罪人のように扱うのはやめてくれ・裁判で真実が明らかになるのを待ってくれと語ったのです。
そして、マスコミが人を裁くのは公正ではないと言ったのだと思います。タブロイド誌等では、人々にウソの証言をさせるために何十万ドルもの謝礼を支払うのです。これは不公平です。
―― なぜ今回のTV出演では質疑を行なわなかったのですか?
HW もしマイケルが記者会見を行なえば、収拾がつかない状態になってしまいます。誰がどんな質問をして どんな質問をしてはいけないのか等を決めるのも大変です。
そして我々は、マイケルが質問に答えるべきではないと判断したのです。
今回のマイケルのTV出演の目的は、彼が無罪であることをいかに証明していくかを人々に伝える事だったのです。
―― ジョニー、マイケルは頭皮の問題で鎮痛剤中毒になったと言っていますが、どういう事ですか?
JC 以前マイケルは爆発事故(※'84年1月27日、PEPSIのCM撮影中の事故)で頭皮を負傷し、ケロイド状の傷が残り、強い痛みを伴う頭皮再生手術を数回受けたのです。その時に鎮痛剤を処方され、その鎮痛剤中毒になってしまったのです。
マイケルが中毒になっていると誰も信じられませんでしたが、彼自身が中毒を認め、治療のため外国に行き、治療が終わるとすぐ帰国したのです。
そしてここではっきりさせたいのは、マイケルはこれまで一度もタバコを吸ったことはなく、麻薬をやったこともありません。
―― マイケルと問題の少年との間に、いったい何があったのですか?
マイケルは少年たちと仲が良く、彼らが精神年齢の低いマイケルの所に泊まりに来た。
いったい、我々が唖然とさせられるのは何故なのでしょうか?
HW 唖然とさせられる事はないと思いますよ。我々だって子供の周りにいる事はあるのですから。
少年たちはマイケルの家族と言えるほどで、彼は子供たちを愛し、子供たちのために長年活動してきました。
そして、社会や文化の違いで子供たちの処遇が異なることにも興味を持っています。彼は世界中の子供たちの生活を良くするために、大人になってから多くの時間を使っているのです。彼の慈善活動によって何百万ドルといった金額が集まりました。
マイケルが少年を虐待したという疑惑は、とにかく信じられず、全くひどいものです。
JC 付け加えさせて下さい。
彼の自宅に行ってみると解るのですが、彼には子供時代が無かった。クリスマスや誕生日など私たちには当たり前のことを経験していないのです。マイケルは5歳から芸能人だったのです。
彼は、子供たちのために・子供たちが楽しいようにと、たくさんの贈り物をしているのもその為なのです。
彼の周りには欲張りな人間が多いのです。信頼がおけるのは無垢なる子供たちだけ、という訳なのです。マイケルの事が解ってくると、子供と一緒にいるのがそんなに不思議ではありません。
例えば、ライアン・ホワイト君のことを思い出してみて下さい。マイケルは、彼の最期の日々が希望のあるものにしたかったのです。
―― ジョニー、例の13歳の少年のことをどう思いますか?
JC 難しいですね。
先ほども、両親のせいではないかとか、欲が絡んでいるのではないかとか言いましたが、のちのち裁判で議論される事になるでしょうが、本当にその子供自身の意思で告発を行なっているのでしょうか?
でもこの件で、マイケルをよく知っている何百何千という若い人が、彼のことを誉めたり一緒にいて楽しかった事を話してくれるのではないでしょうか。父親同然だったと言う人もいるでしょうしね。
―― ジョニー、告発を撤回したがっている事はあるのでしょうか?
JC はっきり内容を申し上げるわけには行きませんが、ある時点でそう受け取れる発言をしていました。
―― ハワード、検察側は何と言っていますか?
普通、どこまで進展したかとか誰から話を聞いているとか、犯罪容疑で起訴するとかしないとか、教えてくれるでしょう?
HW 2月1日に結論が出るのではないかと教えられています。日程に関してはそれ以上のことは教えてくれません。
どんな証拠を握っているとか 誰の話を聞いているとか 内容はどうであったかというような事は、一切知らされていないのです。ジョニーと私は待っているしかないのです。
―― 検察側は、予定を長引かせることも出来るんですね? 2月1日を 3月1日にするとか。
HW 出来ますよ。現にやっています。
視A マイケル・ジャクソンは何の犯罪も行なっていない、と言うのは簡単ですが、この捜査を行なっているのは大変有能なことで知られている警察です。
ここ数ヶ月間捜査が続いているわけですが、事件がもし事実でないとするならば、なぜ有能な警察の捜査が未だに続いているのでしょうか? 数ヶ月も捜査をしているわけですが。
―― ジョニー、いかがですか?
JC “警察”といっても、2つの部門があるのでどちらの事かよく判りません。LA警察とサンタバーバラ保安官事務局とがあるのです。2つとも丁寧に捜査を行なっている最中なのです。
捜査方法に批判はありますが、証拠がとても少ないのです。そうでなければ、もっと早くに事が進展しているでしょう。ともかく、細かく捜査をしているところです。
これからどうなるかを私たちは予測する立場にありません。どちらの判断が検察側に下されるにしても、その前に私たちと話し合って、私たちの知っている証拠もお目にかけておきたいです。
視B 先週、弁護士の方から緘口令(ギャグ・オーダー)をマスコミに対して要求しました。マスコミにこれ以上の情報が流れないようにとの事でしたが、私はごもっともだと思うのです。
裁判所ではなぜ許可が下りなかったのですか?
―― 良い質問ですね。
ハワード、どうぞ。
HW 私も、どうしてだか解りません。とても心配しているのです。
マスコミへの情報を無くして、噂や予想や中途半端な事実が流れるのをとめたかったのです。こうした事がこれまでの事態を悪化させてきたのです。
ジョニーも私も、今までマスコミのやり方を見てきましたから、情報を流さないようにするのが妥当だと思っていたのですが、判事には賛成して戴けなかったのです。
視C マイケルの暴露をしている人たちは、大部分は信用がおけないとされてきました。
最近、元メイドが出てきましたが、どうして暴露するのか 隠された動機はあるのでしょうか?
HW それはジョニーが答えましょうかね。
JC あまり内容について発言したくはないのですが、元メイドにしても他の数々の人にしても、多額の謝礼をもらっているのです。
だからといって、イコール嘘をついているという訳ではないのですよ。でも、嘘の発言をする背景や動機にはなるのです。年収が222万円だったとしましょう。1回のインタビューで、それ以上の金額が得られてしまうんです。法律の観点では、内容の信頼性を疑ってしまいます。
でもこの手の証人は、裁判で宣誓をした後で虐待を見たかと尋ねられれば、無かったと言うでしょうね。
ある事件をマスコミでセンセーショナルに取り上げてしまうと、こうなるんです。私たちが前々から公平な裁判を主張しているのも、こういう理由があるからなのです。
―― ハワードは、マイケルとはもう長い付き合いでしょう。
マイケルの身近にいた人々から、こうした形で暴露を受けるのをどう思っていますか? 特に、姉(※ラトーヤ)についてはいかがですか?
HW 彼は、本当に打ちのめされています。
今日の会見で良かったのは、世界に向けて自分の気持ちを語ることが出来た事です。
彼はガッカリしているし、屈辱的な思いを味わっていますし、恥を味わっているし。事実ではないんです。
今は、無実を主張して真実が出て来て、それを基に正しく判断されたいだけでしょうね。
―― でも、自分の姉ですよ。
HW マイケルの答えにもありましたでしょう。自分の姉には間違いないし、それは変えようのない事実だというんです。
だけどジャクソン家の人々も言っていましたでしょう。彼女の発言は嘘です。
JC それに、もうひとつインタビューでお気づきだとは思いますが、姉は何も知らないのです。
最近のインタビューで話していたでしょう。
 「私は何も見ていないし、本当に何も知らないのだ」
と。だからデタラメなんですよ。
―― 彼女は、33歳にもなって男が寝間着を着た12~13歳の少年と一緒にいるのは変だと発言していますが。
JC でも、犯罪にはなりませんよ。
視D 私はアメリカ人として、どうしてこうセンセーショナルな報道が流行るのか、大変憂いています。
こと大統領やマイケル・ジャクソンのような話になると、マスコミはまるで魔女狩りのような様子です。
ボイコットするべきなのでしょうか。そうでもしないとまともな公正な報道は望めないのでしょうか。
―― こういった '90年代風のマスコミをどう思いますか? ジョニー。
JC 私自身、怖いと思っています。長いこと裁判をしている人間として怖いと思いますよ。
こちらが証人候補と連絡を取る前に、どこかの雑誌やらTVやらが先にその人と連絡を取り、金を支払って証人としての信頼性を傷つけてしまうんです。こういう時は莫大な金が支払われますから、何か面白いことを言わなくてはいけなくなるんです。それでこそ価値があると思われていますからね。あとで名誉毀損で訴えられるかもしれないんですよ。
真実よりも視聴率を重んじる人間がこの世にいるのです。困ったことです。
被告人が公正な裁判を受けられるようにしなくてはいけませんし、ラリー、そうしたセンセーショナルな番組を観ていた人が陪審員になるかもしれないんですよ。公正な裁判が望めないんですよ。
アメリカでは推定無罪の人は、公正な人々・噂に毒されていない人々から裁判を受ける権利があるのです。
―― 今の法律制度は、この事件をうまく裁いてくれると思いますか?
JC 法律制度には信頼をおいていますが、でも時代が変わりつつあるのです。
ハワードも私も、仕事が難しくなっていると感じております。毎日毎晩、TVのセンセーショナルな番組に金をもらって発言する人が相次いでいますしね。
視E これまでの番組で、まだ本当かどうか証明されてもいない告発に対して大騒ぎするマスコミからマイケル・ジャクソンを守る内容のものはありませんでした。
2つ質問があります。
姉のラトーヤ・ジャクソンは、マイケル・ジャクソンを公の場で批判していますが、事実に基づいてやっている訳ではないようです。それは、彼女が歌手として落ち目な事と関係しているのでしょうか? 最近の南アフリカのコンサートでも700人しか観客が集まらなかったといいますが、いかがでしょうか?
―― 時間が無いのでここらへんで。
ジョニー、いかがですか?
JC とにかくおかしな状況になっていて、マイケルはとても傷ついています。
彼はラトーヤ夫妻に経済的にかなり援助をしたばかりなのに、ひどい仕打ちです。
―― マイケルと子供たちとの関係はどうなるのでしょう。
まだ子供たちと一緒に居たがるでしょうか?
HW 子供たちと時間を過ごすだけではなく、マイケルにはこれまで通りの生活をしてほしいと願っています。
何も悪いことをしていないのだから、生活を変える必要なんてありません。今後も子供たちに夢を与えることが出来るのですから。
―― 弁護士としては、子供たちを食事に呼ぶなと忠告しますか?
HW そんな事はしません。
彼は何も悪いことをしていないと信じていますから、自分の生活を変える必要など全くないと思っています。
―― ジョニー、マイケルにはこれまで通りに振る舞うように言っていますか?
JC ええ、ずっと励ましてきました。
ここ3~4ヶ月は特に、無実で何も罪を犯していないのに大いに打ちのめされてしまったのですから。何とか通常の生活を取り戻してほしいです。
今日のマイケルは健康的で強く、明るい展望を擁していました。苦痛な今回の告発に立ち向かっているのです。捜査もとても辛いものでしたが、マイケルは前向きな姿勢を貫いています。
彼は司法制度を信頼して公平さを求めているのです。今日(の声明中継)も、待っていてほしい・証を見てから判断してほしい、と訴えていましたよね。そうすれば、彼は必ず無罪となるでしょう。
―― ありがとうございました。
マイケル・ジャクソンの弁護士、ワイツマン・コクラン両氏をLAのスタジオにお迎え致しました。

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= People誌 ('94年半ば) =
(ジョニー・コクラン弁護士インタビュー)
( VOL.67 / Aug 1994 )


JC … ジョニー・コクラン弁護士

 今回、マイケルの弁護士たちがうまく仕事を進められず、コクランに関心が集まっている事は彼自身が一番よく知っていた。
JC ヨーロッパ(※ツアー中止後に治療で滞在中の)マイケルとは電話で、厄介な問題をしょい込んだものだと話したんだが、すっかり意気投合してね。
彼は、人の話をよく聞くんだ。
私は、マイケルは無実だと思っていたし、逆に相手を告訴すべきだと考えていた。
旧友の州検察官と、マイケルがLAに戻った時に逮捕されるような事はあってはならない、と話していたんだ。
 Peope誌の記者は、「コクランは記者会見を開くにあたり 街の黒人の有力者に根回しをし、少年の代理人弁護士とも会見もし、やっとの思いで和解にこぎつけたんだ」 と語り、「少年は大金を手に入れ、マイケルには何の汚点も付かなかった」 と見解を述べている。
JC 終わりにするには、これ(和解)しか無かった。
私は、マイケルがこの先もキャリアを積んでいけるようにしたかったんだ。
子供との付き合いも変える方が良いかもしれないと言うつもりだ。
と、コクランは結んだ。

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= アクセス・ハリウッド ('98年4月14日) =
(マイケル側弁護士 ジア・モダバー氏インタビュー)
( VOL.67 / Aug 1994 )

== … パット・オブライエン(番組司会者)   ―― … ジゼル・フェルナンズ(リポーター)
ZM … ジア・モダバー弁護士


== 今夜の 「アクセス・ハリウッド」: 沈黙のスーパースター、マイケル・ジャクソンは 「もう充分だ!」 と語りました。彼は名声を守るため、反撃に出ました。
ZM 彼は自分自身を守り、必要とあれば出廷もするし、証言もする。そして勝訴するでしょう。
 
 [差し込み映像]

== マイケルは、もう充分だと語ります。
皆さん、私はパット・オブライエンです。
―― そして私がジゼル・フェルナンズです。
ここハリウッドで今日起こっている出来事です。
 
 [ "Blood On The Dance Floor" のBGM ]
 
彼は、世界中で最も有名なスターであり、お金持ちの一人です。そしてそれが、彼を訴訟の第一のターゲットにさせています。
しかし今、彼はそのような事に縛られることに疲れ、反撃に出ていると弁護士は語っています。
 
 [ 随時、マイケルの様々なショットが差し込まれる ]
 
King Of Popは、勝利を勝ち取りました。判事は、フリーライターのビクター・ギティエーレス氏に、マイケルを名誉毀損した罪で 270万ドルという高額の賠償金を支払うよう裁定しました。
ギティエーレス氏はタブロイドTV(「ハードコピー」)で、マイケルが少年にイタズラをしているビデオを観たことがあると主張していました。
マイケルの勝訴に続き、マイケルの弁護士は 当「アクセス・ハリウッド」に、マイケルが反撃に出たことを語りました。

―― マイケルの生涯の殆んどが、タブロイドに出てその表紙を飾っています。
しかし今回マイケルは、彼自身の訴訟で反撃に出たようですね。
ZM 彼はジッとしている事をやめて、行動を起こしました。
彼は自分自身を守り、必要とあらば出廷もするし、証言もする。そして勝訴するでしょう。
―― 彼が '94年、少年とその家族によって起こされた訴訟を解決することに同意した後、結果として5つの裁判が起こされました。
マイケルの弁護士によるとこれはマイケルを、中傷・プライバシーの侵害・性差別・嫌がらせ・不当な解雇だと非難したものです。
そんな彼らは浅はかで、マイケルはそれら全てに勝訴したそうですね。
ZM 不運にも、誰でも裁判所へは数百ドルで入ることが出来てしまいます。
もしあなたが、マイケル・ジャクソンや他の有名人をそのような問題で告訴するなら、あなたはTVの至る所に出演できるでしょう。
そして、あなたは世界中に自分の恥ずべき告発を流すことになります。
 [ マイケルが "So, just leave me alone!" と歌っている映像が流れる ]
―― モダバー弁護士は、有名人は弁護に多額の金額がかかるため、しばしば法廷外で訴訟を解決すると言います。
加えて、マイケル・ジャクソンの事をターゲットになりやすいと思っている人に対して、マイケルはメッセージを伝えたいと望んでいます。
ZM 何故、このような事がマイケルに起き続けるのか、解りません。
彼らがこのような行動をやめてくれる事を望みます。
―― そうですね。

―― ビクター・ギティエーレス氏は、果たしてマイケルを上訴するのでしょうか?
彼の弁護士が今日語ったところによると、まだ判らないそうです。

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= スティーブ医師、療養中のマイケルを語る =
Minder reveals how singer ate 7 biscuits with his cuppa
( 番外編 )
薬物中毒治療のため、ロンドンのナイチンゲール病院に入院していたマイケル。
その治療の厳しさは、私たちの想像をはるかに超えるものだったでしょう…。

しかしそんな中でも、“穏やかな時間” を過ごすこともあったようです。
以下は、担当医のスティーブ医師が患者との守秘義務を逸脱しない範囲で
正真正銘 『素のマイケル』 を語った貴重な手記です。

[ ※掲載誌名も原文も既に不明の、当時の直訳メモを元に再構成したものです。多少の珍文はご容赦ください ]

 深夜、マイケルは部屋から出てきては よく私たちとお茶しながらおしゃべりしていました。
 入院したての頃のマイケルは、皆がとうに寝静まっている時間帯でも眠れずにいたのです。夜が明けようとしていても…。 なので朝方4時ごろ、歌っていたり音楽を聴いていたりする様子がドア越しに聞こえてきたこともありました。
 マイケルは、閃いたメロディーをいつでも録音できるようにとカセットレコーダーをいつも携帯していました。同様に歌詞も、よくメモに取っていました。
 そのようにして作っていた歌はハイテンポなダンスナンバーではなく、どれも哀しげな歌ばかりでした。
おそらく彼の心情風景そのままだったと思います。

 そしてマイケルはよく電話をかけていました。電話は、入院時に彼が所望した物のひとつだったのです。
 それこそ世界中にかけていて、時には2時間も話していることもありました。

 マイケルは、私の同僚であるアンディ医師と特にウマが合ったようで、よくおしゃべりしていました。
 患者たちを看る立場上 私たち医師は慢性的な睡眠不足であるという事を、マイケルは大変心配してくれました。
 私たちは、そんなマイケルにも新鮮な空気を吸ってもらおうと よく外へ散歩に連れ出したりしたものです。

 ある時、部屋から出てきたマイケルは、私たちに 「お茶を入れてもらいたいんだけど」 と言ってきました。私たちがお茶を入れてくれるものと ごく普通に思っていたようです。
 「マイケル、悪いけど自分で入れてくれないか? それもまた治療なんだよ」 と応えました。身の回りのことは自分でやる、という事も治療の一環なのです。特別扱いはしません。
 台所へ向かったマイケルは、お茶を入れるべく奮闘していました。見るからに、これまで自分でお茶を入れた経験が無いことは明白でした。
 果たしてチキンスープのような色をした残念なお茶が出来上がり、その上マイケルは砂糖を5,6個入れて飲んでいたのですが… 味はおおかた想像つきますよね。
 マクビティの “Hob-nob”ビスケットが大のお気に入りで、そのチキンスープ紅茶と一緒に6,7枚たいらげていました。
 お茶を自分で入れるよう言われたこと自体は、マイケルは全く気にしていない様子でした。
 お茶だけでなく、ベッドを直したり 部屋に掃除機をかけたりも、マイケル自身にさせていました。

 彼が患者であることを失念させられそうな時もありました。
 彼にはユーモアのセンスがあって、ビーティー教授のことなどは 「The Mad Professor」 とアダ名をつけて呼んだりしていました。
 ある夜のこと、マイケルがジュースを取りに部屋から出てきた時、私とアンディ医師は、台所でマイケルにダンスのことを尋いたのです。 “かの有名なムーンウォークは、一体どうやったら出来るのだろうか?”
 我々二人がやってみても、ぶざまをさらすだけでした。マイケルは、そんな私たちの姿を見て笑っていましたが、「それで良いんだよ」 と言ってくれました。
 そして、「OK。申し訳ないんだけど、もう寝なきゃ…」
 そう言って、台所から立ち去るのをムーンウォークでやったのです! 手にジュースを持っているままで、靴を履いていない状態で。 私たちの目の前で!
 マイケルはいたずらっぽく笑っていました。
 あれは本当に素晴らしい出来事でした。

 食事は、医師や他の患者たちと一緒に、広い台所で摂ることになっています。
 マイケルはベジタリアンだから肉は全く摂らないとばかり思っていたので、ローストチキンをパクついているのを見た時は驚きました。しかしどうやら白身の肉(鶏のささみ等)に限定しているようです。とはいえ、その量はわずかで、彼は全体的に少食ですね。
 【※編集注 - BADツアー中にダウンした際、医師から 「白身の肉程度の動物性たんぱく質は摂るようにしなさい」 と言われ、素直に聞き入れた。それまでの約10年間は、ほぼ完璧なベジタリアン。】

 ビーティー教授は治療の一環として、マイケルに化粧をやめるよう言い聞かせていましたが、マイケルは 「していると落ち着くから」 と、化粧を落とそうとしませんでした。 ― 初めのうちは。
 しかし次第に化粧をしなくなりました。その方が人間らしく自然で、良い感じでした。いつも鼻につけていたブリーズライト(鼻孔拡張テープ)も、状況に慣れリラックスしてくると付けなくなりました。肩ひじを張ったような防御行為など、私たちの前では必要ないと解ったのでしょう。
 帽子も被らなくなりました。
 当初は、寝る時以外は被っていたのですが、部屋から出てくる時に途中の階段の手すりに引っ掛けておくようになり、やがてずっと掛けっぱなしになったのです。

 治療時間以外は、ゲームと運動用ジムとTVのための別棟でよくTVを観ていました。マイケルがニュースを観ることのないよう、そのTVは改造されていました。
 マイケルは 『Whatever Happened to Baby Jane』 や、ジョン・キャンディ主演の 『Uncle Buck』 という映画を好んで観ていましたが、マイケルのイチオシは 『風と共に去りぬ』。
 じゃあ皆で一緒に観ようと、私が数軒のビデオショップを回ったのですが見当たらず、代わりに 『風と共に去りぬ』 のメイキング版だけを手に、申し訳ない気持ちで戻りました。
 そんな私にマイケルは、
 「このビデオも良いんだよ。探し回って来てくれてありがとうね、スティーブ。」
と言ってくれました。彼は礼儀というものをきちんとわきまえている人なのですね。

 一度だけ、マイケルがピアノを弾いているのを見ました。
 ピアノの前でひざを折り、メロディを少し弾いて歌い始めたそれは、とても美しいラブソングでした。
 私が見ている前で、6分かそこらで同時に歌詞も仕上げていったのです。
 終わるのを見計らい、「それって今思いついたの?」
 「うん、そうだよ。だからメロディはもう忘れちゃった」
 そう言ってマイケルは、他にやることを新たに探し始めていました。
 どんな問題を抱えているか それこそ問題ではないほどに、マイケル・ジャクソンという人物は天才なのだと思いました。

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UPDATE - '07.07.02