M.SUZUKI氏より
【 一件を終えて… 】
( 93年訴訟について )

( VOL.69 / Nov 1994 )

 「少年虐待」の訴訟も終結し、マイケルも声明を発表し… 幕をおろした今、もう二度とこんな疑惑があってはならないですよね。
 VOL.62でもコメントして戴いた法律の専門家の方が、この件を振り返ってコメントを寄せて下さいました。


 ファンの皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますか。
 疑惑発覚から今日までマイケル・ジャクソンをめぐってヤキモキされていたのではないでしょうか。
 アメリカ訴訟社会の問題として、マイケルにかかった疑惑の件を調査研究してきた私としても、ようやく終わってくれたというのが正直なところです。
 また、この研究に際してはスタッフの方をはじめ MOONWALKの関係者の方からの情報提供には心から感謝しております。
 アメリカにおいて、この事件を研究してきた弁護士グループの方からも、「よくこれだけの情報を集めた」と感心されました。

 そこで、この事件も一幕となりましたので、以前の和解の段階では出て来なかった情報のいくつかを述べたいと思います。

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●捜査の異常性●

 マスコミが異常な報道をしたことはファンの皆様も承知されていると思いますので、ここでは警察ならびに検察の対応の異常性を検討してみる。

 事件発覚時にマイケルの自宅捜査は疑惑があった以上やむを得なかったともいえる。この種の犯罪は、事件公表によって被害者が続出するのが通常であるからである。
 しかしマイケルに関しては、被害者は少年1人だけであり刑事事件としては立件できない状態になっていた。
 (終了するかに思われていた)にもかかわらず11月以降に警察・検察が異常とも言えるような捜査を強行したのは何故か。
 (アメリカの弁護士によると)検察にとってマイケルが白となることは失態となり、検察官としても将来がなくなる状況になっていた。
 日本と異なり検察官は選挙で選ばれ検察官としての業績を下に、州議員・検察上院議員等へと出世していくところ、大スターを誤ってマスコミを通して容疑者としたのでは出世の道もなくなることから、マイケルを灰色に追い込むことが必要だったのではないかと言われている。(当初は正義のために動き出したが、事件発覚後のマスコミやファンの異常な騒ぎ方に原因があろう)
 確かに、11月以降の捜査は、家族宅への捜査・全裸写真の強要・予備審の中立てなどマイケル側の予想を超えるものばかりだったと言える。苦痛を与え、和解ということで灰色としてしまうことが検察の狙いだったのではないかとさえ言われている。
 少年側の弁護士としても、灰色として和解金を獲るのが当初からの目的であり、刑事事件として有罪をとることなど考えていなかったといえる。実際、和解後において検事に対して全く協力していない。

 3月に始まった大陪審も全く異例であった。
 通常は1~3日、長くとも1週間で終わるのが普通である。起訴・不起訴を決めるだけであり検察が証拠を並べ、少なくとも疑わしいと思わす事ができれば終わるからである。
 ところがマイケルの場合には、1ヶ月以上にも及び検察の嫌がらせによる引き延ばしとしか思えない状況となった。マイケルの母親等を呼び出したことが、まさにその例である。(事件の真相を知るはずがない)
 予審と一転して大陪審ではマイケルに不利な証拠はなくなっていた。予審でマイケルに不利な証言をした証人も、大陪審では内容が変わっていたと言われる。アメリカでは裁判において、宣誓をした証人が偽証をすると日本以上に厳しく罰せられるからではないか。少年の弁護士が少年を証言台に立たせないことも、重要な役割だったとも言われている。(少年が嘘を言っていたとしたら…)

 更に4月に入って“他の2人の少年が出廷し起訴に追い込む”という情報が流れたが、実際には出廷せず大陪審も解散された。
 後の調査では、そもそもそのような少年は実在すらせず、検察が“灰色から黒”との印象をマスコミを通じて大衆に与え、検察の失態ではないとのアピールをするための作戦だったとも言われている。
 大陪審解散から捜査終結宣言まで4~5ヶ月あったのもマイケルを“あくまでも黒とする”ためではないか。

 以上のことから警察・検察の都合で刑事事件とされた可能性がある。


●マイケル側の失態●

 マイケル・ジャクソンが無実であっても、このような騒ぎになってしまったのにはマイケル側にも非があったのではないか。(ファンの皆さんゴメンナサイ…)
 第一に、ファンの人からも投稿があったようにマイケル・ジャクソンの子供に対する態度に問題があったと思える。子供の為と言って何でも買い与え言いなりになっていた。マイケルの態度は一般から非難されても仕方ない。
 第二に、モナコ音楽祭という公の場に素人の子供を連れて行き大衆にさらした事により、この疑惑に信憑性を与えた。
 第三に、マイケルが少年に対して何らかの事情で態度を急変させ、少年が“裏切られた”と思ったのではないか。(例えば…13才にもなったんだし…と少年と遊ぶ事を遠ざける行動をとったとか!?)

 以上の事と少年がセラピストに訴えたという事情を考えると、警察当局がマイケルの行動に不信を持ち捜査に乗り出しても仕方ないといえよう。(モナコに連れて行って授賞式に出席させテレビに映させたのが致命的といえよう)


●調査を終えてみて●

 この事件を研究してきたアメリカ人の弁護士は、この事件についてマイケル・ジャクソンは95%無実だろうと言い切っている。
 しかし、この疑惑に巻き込まれても仕方がないようなマイケルの軽率な行動はあり、民事事件として大金を払わせられる背景はあったと言える。モナコにまで連れて行った少年に警察に訴えられた段階で、マイケルの負けは決まっていたと言える。少年は未成年の人権保護というのに最大限に守られ、悪い情報は外部に出ないというのに対し、マイケルはマスコミが“あること・ないこと”なんでも報道し金目当ての人間が続出してしまったからである。
 マイケルの弁護士としてもどうすることもできない状況になっていた。(和解せざるを得なかった)
 警察・検察当局が異常な捜査に出たのは何故か、少年の訴えを利用して強制捜査に出る事で少年以外の被害者が続出すると予想していたが… 一切出て来ない。
 ここで少年の訴えが“デタラメではないか!?”と思うのが通常であるが、警察・検察も正義のために動き出してみたもののマスコミやファンの異常な攻撃に、かえって躍起になり異常な捜査の続行になったのではないか。
 マイケルが12月の弁明会見で最後にどんなに事件について話したかったか、でも事件集結までは相手を刺激せぬように弁護士がとめたのだった。

 いずれにしてもマイケル・ジャクソンがこの疑惑の為に被った傷は大きかったと言えるだろう。(マイケルをひたすら見守るファンも辛い一年だったのではないでしょうか。結婚も…!?)

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 マイケルは世界的なエンターティナーなのですから、レコード・フィルム・ステージを通じて再びファンに感動を与えてほしいものですね。
 私も、早く再来日し感動的なステージが見れる事を楽しみにしています。

UPDATE - '06.10.14