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UPDATE - '09.8.12
【 初主演映画 『MOONWALKER』 part.3 】
― お ま け ―
≡ Work of BACKSTAGE ≡
文責: らか
SMOOTH CRIMINAL -
Shoes/靴
Tribute/トリビュート
Choreographer/振付師
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■ LOCATION ■
ユニバーサルスタジオ・ハリウッドのブラウンストーン・ストリートは、ロケ地のひとつ
襲撃シーンの一部はミニチュアを使用
“Speed Demon”の前半などもユニバーサルスタジオでのロケ
たぶん、走り回る直前の心肺チェック? (違ったら単なる目の保養ということで;
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■ CLAYMATION ■
“Speed Demon”の粘土アニメ(Claymation) は、ウィル・ビントン氏が担当。
翌々年('90年)広島で開催された イベントのミニレポート も、併せてどうぞ。
たくみに混在させた実写の “かぶりモノ出演陣” と記念撮影
マンガチックな急ブレーキ。 かぶりモノとも粘土とも、コミカルに一体化
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■ GADGET - Car ■
モデルは 『Stratos 0/Zero』(ストラトス・ゼロ) と呼ばれるコンセプト・カー。
'70年10月、イタリアのトリノ・モーターショーにてお披露目されたもの。
開発 : カロッツェリア・ベルトーネ
デザイン: マルチェロ・ガンディーニ
LANCIA社からの発表となったため 『ランチア・ストラトス・ゼロ』 と呼ばれ
ラリーで有名なランチア・ストラトスの始祖となる。 原型は赤橙色であった
ドライバー搭乗時のイメージ
― 原寸レプリカ ―
映画で使用されたものは、実際の 『ストラトス・ゼロ』 で取った型から作られた
グラスファイバー製の外郭のレプリカで、3台作られたという話も。 (※未確認)
映画用の小道具なので、駆動装置は全く付いていない。
サイズ : 358×187×84 cm
― ミニチュア・カー ―
撮影用ミニチュア・カーは、WonderWorks社が製作
サイズ : 63.5×40.6×33 cm
― 3Dモデル ―
CG用ポリゴン3Dモデルは、Wilbert Cedenoが製作
使用ソフトウェア : Maya 7
原寸レプリカ話の、さらにトリビアネタ。
うち1つを入手した有名カーコレクターでカスタムマニアの男性が、ロンドン・ブリックレーンのイベンターから依頼を受け、'05年12月から丸2ヶ月をかけて '70年トリノショー当時の外観に塗り変え&エンジン搭載のカスタムを施した。
塗り変えなきゃいーのに勿体ない!!!
…と舌打ちしたくなるのは、マイケルファンの総意?
'08年9月までに複数のイベントで展示された後 オークションに出品され、同年11月11日付で落札となる。
査定額は 34,169~45,558ユーロ(約500~650万円) だったが、落札額・落札者は非公表。
その後、'09年8月初旬オークションに出品されたものは 色が違うように見えるが、単に写り方によるものか,さらに塗り直されたか,上記とはまた別物(3つのレプリカのうち2つめ)か、不明。
106,000ドル(約1千万円)の入札額が付いたが、不成立に終わった。 (※'09年8月現在)
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■ GADGET - Robot ■
― DANCING MACHINE ―
ストップモーション・アニメーター、ジョエル・フレッチャー氏の作品
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■ GADGET - Arms ■
ミニチュアモデル/ ミスター・ビッグの最終兵器、ガントレット(手動式)
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■ SMOOTH CRIMINAL - Shoes ■
映画 『MOONWALKER』 には関係してはいないのですが,
関連資料として特許書類のごく一部を掲載します。
o 特許名称 - Method and Means for Creating Anti-Gravity Illusion
o 特許番号 - 5255452
o 出願日 - Jun 29, 1992
o 認定日 - Oct 26, 1993
o 発明者 - Michael J. Jackson, Michael L. Bush, Dennis Tompkins
o 譲受人 - Triumph International, Inc.
o 主任審査官 - M. Denise Patterson
o アメリカ国分類 - 36113; 36/1; 36136; 36/80; 36132
o 国際分類 - A43B 500; A43B 300
戻るための背筋力ありなしで、殆んどのダンサーがオーディションから振るい落とされた
なぜか 【ゼロ・グラヴィティ】(=無重力) と呼ぶ向きがありますが、
正解は 特許書類にもあるとおり 【アンチ・グラヴィティ】(=反重力)
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■ SMOOTH CRIMINAL - Tribute ■
マイケルが "Smooth Criminal" でトリビュートした 『The Band Wagon』('53年作品)。
ダンスパートの振付は、元バレエ・ダンサーのマイケル・キッド(!! )氏が担当。
主演: フレッド・アステア,シド・チャリシー。 右下はアステアと振付師マイケル・キッド
"Smooth Criminal" は、マイケルが尊敬するフレッド・アステアへのトリビュートであるように言われていますが、果たしてそれだけでしょうか?
この映画 『The Band Wagon』 の監督を務めたのは、ヴィンセント・ミネリ氏。
娘のライザ・ミネリと大親友のマイケルは、ミネリ監督の '86年7月30日の葬儀にはライザに付き添って参列しました。
そして、その半年後の '87年2月、"Smooth Criminal" の撮影が開始されたのです。
『The Band Wagon』 を題材として採用を決意したのは、ミネリ監督へのトリビュートの意味も深く込められているのではないでしょうか。
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■ SMOOTH CRIMINAL - Choreographer ■
"Smooth Criminal" の振付師、ヴィンセント・パターソン氏。
"Beat It" ではギャングボスの片方や "Thriller" では振付アシスタント兼ダンサーを務めた彼に、'86年のある日マイケルが電話で "Smooth Criminal" の振付と監督を依頼するという大抜擢。
「私にキャリアを与えてくれたのはマイケルなんです。」
たった3~4つの動きでも、マイケルは鏡の前で3時間も4時間も黙々と繰り返し練習していたそう
マイケルから教え込まれた重要なことの1つは
音楽に、自分の考えを押しつけようとはしないで。
ダンスをする上で 音楽を聴くという事についてだった、とパターソン氏。
聴くんだ。
そうすれば音楽は、どうありたいかを自分から教えてくれるよ。
それから25年も経った今も、振付師として新たな曲やスクリプトを手にするたびにマイケルのこの教えを思い出すという。
【Music Incarnate】 (肉体を持った音楽)
「彼は、常にそこにいるのです。」
そしてまたパターソン氏は、“マイケル・ジャクソン” という人間を こう評した。
…だとすると マイケルは、ただただ純粋な 『音楽』 へと再び還っていったのでしょう。
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