= 追っかけレポート(1) =
[都内編]
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■12月 9日(水)■
絶叫っ!! in 成田
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92年12月9日(水)付 東京中日スポーツより
来日が決定してから数ヶ月の間、どれほどこの日を待ち続けたことだろう…!
前日は緊張とコーフンでろくに眠ることも出来ず、私たちが成田第2ターミナルに到着したのは、なぁんと
午前10時前っ; ファンの姿もまばらで、報道陣の姿なんてカケラも無い。
「まぁいっかー; ごはんでも食べよ」ってことで、のんびり下見したりヒマ潰ししてると、午後2時ごろ、ようやく出迎えらしい人の姿が到着Aロビーに集まり始める。徐々にあたりに緊迫感が漂ってくる…!
マイケルの乗ったJAL61便の到着時刻は4:35から5:05に変更。
午後3時を過ぎたあたりから、だんだん私たちはアセってくる; だってマイケルが一体どこを通って行くのか全っ然わかんないのっ。なんたって第2空港ビル・初のVIP、今までの前例も無いし、おまけに報道陣が1人もいなくって、どこにポジション取れば良いのかの目印さえ無いんだもん;
「あっちだ~!!」 ドド !! 「そっちよっ」 ドド !!
あちこちで怪情報が乱れ飛び、民族大移動のような状態;
そうしているうち、マイケルの専属カメラマンのサム・エマーソンが、カメラクルーと共に登場。ファンの様子をバシバシ撮り始める。
そこでのサムがあんまり愛想が良かったもんで、思わず 「マイケルってドコ通るの?」 って訊いてみたら、「そこ通ってくよ」 なぁんて指差して教えてくれたっ。
そっちの方角に行きウロウロしていたら、奥の扉から空港の警備員がゾロゾロ出て来るっ! 奥の扉を覗き込むと、中にも警備員がイッパイ!!
「この中にマイケル入ってくんだっ」
ポジション決まりっ! ゼッタイこの扉から離れないぞぉ!!
いよいよ警備員がロープを張り始める。終点は、やっぱり私たちの目の前っ!
右側から人の波がドド~っと押し寄せてきて、押し合い・へし合いの揉みくちゃ状態; ギューギュー詰めで死にそーになりながらも、マイケルをひと目見たい一心で ひたすら耐える。
と、今ごろになって報道陣がぞろぞろとやって来た。しかも、「はい通して~」 なんつって、ファンの目の前に踏み台を持って割り込み! 「ヒッド~イっ;」 「ずるいよ;」 ただでさえ人の頭しか見えないのに…;
半分諦めかけた頃、右手から 「キャ~~っ!」 というファンの悲鳴!! 続けて報道陣のライトやフラッシュが一斉に光るっ! ものすごい歓声と悲鳴、押し寄せる人の波っっ!!
「マイケルだっ」 アセっても背伸びしても飛び跳ねても、見えるのは警備員の頭だけ;
もうダメだ~; って思った瞬間、突然視界が開けてマイケルの姿が目に飛び込んで来た!
信じられないほど光り輝くマイケルが、そこにいた!
光の輪の中をフワフワ歩いてきて、目の前で立ち止まって報道陣のカメラに向かってサービスしてる。
(この時 頭は真っ白で、黒ずくめのマイケルが笑って手を振ってたのをかすかに憶えてる位の記憶しか無いのですが;)
あっという間に扉の奥へ消えていくマイケルの後ろ姿を見送って、気づいたら私はしゃがみ込んでわんわん泣いてたのでした。マイケルが、本当に帰って来てくれたんだっ。4年前マイケルを見送った時は、またこんな日が来るなんて夢にも思わなかったのに…! 嬉しくって夢みたいでっ!
「これから、マイケルと同じ空気吸って生活できるんだぁ…v」
同じ日本にいる喜びと実感をしみじみ感じながら、初日の夜は更けていったのでした 。
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■12月10日(木)■
アメリカ大使館にて
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来日2日目のこの日は、"マイケルがアメリカ大使館に行く" ってウワサがあったので、夕方、私たちは宿泊先の 『キャピトル東急ホテル』 に向かう。
行って見るとファンが大勢、駐車場の周りでウロウロしてる。
「懐かしい光景だなぁ…」 って妙な感慨に浸っているうち、午後6:10ごろ、東京パトロール(以下 "東パト")の車に続いてマイケルのバンが出て来るっ!
今回のマイケルのバンは、オフホワイトの "トヨタ・ハイエース"。助手席には、見慣れたビル・ブレイ(マイケルの側近)が座ってる!
あっという間に走り去るバンを見送りつつ、私たちも急いでアメリカ大使館に向かう!
マイケルのバン
タクシーで正門前に到着すると、数人のファンがウロウロしていて門の中を覗き込んでいる。中に日本テレビの車が停まっているのが見える。
そのまま私たちは、先に来てるはずの仲間を探して裏門の方へ歩いて行く。
ぐる~っと回り込んで行ってみると、 裏門の前には20人くらいのファンがタムロしていて、その中に仲間の姿もみーっけ!
話を訊くと、午後6:20ごろにマイケルのバンがここから中に入っていった、とのことでした。
私たちがマイケルの出て来るのを待つ間、新聞社のカメラマンも2~3人いて 門の外をウロウロ。
「明日の新聞に載せたいから」 ってことで、ファンの姿も2,3枚パシャリ。(翌日のデイリーに出てた)
大使館でのセレモニーに招待された芸能人が、裏門から入っていく。林真理子さんやら 筑紫哲也さんやら…。ダニエル・カールさんも家族でいらしてたので声をかけ、招待状(インビテーション・カード)を見せてもらっちゃった! 12~3cm四方の正方形のカードで、何だか羨ましかったっ;
歓迎セレモニー主催のアマコスト駐日大使も "マイケル"。(Michael H. Armacost)
= スピーチ内容 =
「日本に "Heal the World基金" を紹介できる場を与えて下さった皆様に心より感謝申し上げます」
「子供たちは私たちの未来そのものであり、"Heal the World" はまさしくその手助けのためにあります」
「本日はたくさんの子供たちにも来てもらえ、大変嬉しく思います」
「今回の僕の公演を機に、1人でも多くの人々のチャリティ活動への理解と協力を得られれば幸いです」
TOKYO-FM少年合唱団による日本語訳詞の "Heal the World" を観賞中、
マイケルは身体全体で拍子をとっていたそう。その後彼らと握手・記念撮影。
午後7:00ごろにはセレモニーを終えた人が出てきたので、中で配られたパンフレット(B4サイズで、"Heal the World基金" の主旨や マイケルの紹介等が載っている)を見せてもらったり。
そんなこんなで待ち続け、午後7:20ごろ、東パトに続いてマイケルのバンが!!
裏門から車道に出る所でいったん停止し、そのまま信号が変わるまで停まったまま!
「キャー!! マイコー!!」
ファンが一斉に乗り出して叫ぶと、助手席でニコニコ笑ってるビルの陰からマイケルの顔がっっ!
ファンに向かってニッコニコに笑って手を振っているっ!
サングラスをしていないマイケルが、ちょっとオドケてゴキゲンそうで、ファンにサービスしてくれてる!
信号が青になると、バンがだんだん接近してきて、思わずファンがバンにへばり付いてしまう; その間も
ず~っと手を振り続けてくれたマイケル。
あまりのかわいさと親しげな様子に、私たちもプッツン状態で大喜びっ!
走り去るバンを目で追いながら、昨日に引き続きマイケルを見れちゃって、幸せ気分いっぱいで家路についたのでしたv
これに先立ち、昼は六本木 『GIGO』を貸切。30分の予定だったがゲーマーは倍の時間遊んだ
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■12月11日(金)■
スペシャルリハーサル・DAY
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12月11日。来日3日目のこの日が、いま思えば私たちの運命(?)を決めてしまった日でした。
初日を前に、なんと! リハーサルで歌い踊るマイケルの姿を見てしまい、しかもその後、マイケルの乗ったバンを追いかけて 初の横づけ大接近!! を果たしちゃったのです。
この日マイケルは、午後2:30ごろ東京ドーム入り。翌日の日本公演初日に備え、バンドメンバー・シンガー・ダンサー共々、入念なリハーサルを開始したのです。
しかしこのころの私はまだ真面目にお仕事してたので、ドームに到着したのは午後6:00過ぎ。
とりあえずマイケルのバンが出入りする業務用出入口に行ってみる。…と、ありゃりゃ;
なんと追っかけタクシーが4台、「いつでも来いっ!」 とばかりにスタンバイしてるっ; 今マイケルに出て来られたら置いてけぼり状態だぁ; 急いでタクシーを停め、見知らぬ人同士メンバーを組む。
"さぁっ いつでも来いっ!!" ファンの間にキンチョーした空気が流れる。
しかし、そのまま1時間が経過 ; マイケルが出て来る気配ナシ;
寒風がビュービュー吹きすさぶ中、タクシーから降りて立ち尽くしていた私たちは身体の芯から冷えまくり、だんだん不安になってくる;
「ねぇ… マイケルって、まだホントにいるのかなぁ…?;」 ブルブル~~; 「もうとっくに反対側の出口から帰っちゃったとか…」 「ジオポリス(後楽園ゆうえんちの下)で遊んでるのかもよ?;」
話せば話すほど、"マイケルはもういない" って気持ちが強くなってくる。停まってたタクシーも1台2台と数が減り、帰り始める人も出てくる。
「私たちも、タクシーに帰ってもらう…?」 なんて話してたその時!
ド~~ン! ガラガラッ
いきなり雷のような爆音が鳴り響くっっ!!
「キャー; 今の何っ?!」 「ギャッ雷だぁ;」
ファンがびっくりしてると、再び ドーン!!
ものすごい音と同時に、ドームの屋根がバーッとオレンジ色に光る!! え?! なんで?!
思いっきり動揺してたら、隣にいた人が 「判った! ステージの花火じゃないの?!」 と叫ぶ。
と、次の瞬間 "JAM" の演奏が始まり、そして…
間違いない! マイケルの声っ;
「うそ~~; キャー!!」 残ってたファンは一斉に駆け出すっ!! マイケルだっ! マイケルが歌ってるっ;
ドームの壁にへばり付き、ステージが見えそうな隙間を必死で探す;
と、観えた!! マイケルの姿発見!
"JAM" の衣装を着て、バックダンサーと一緒に踊ってる! 照明ももちろんそのまんまっっ!
もう、そこにいたファンは半狂乱! いま私たちの目の前で、確かにマイケルが歌ってるなんてっ;
※画像は参考イメージ
ダンスナンバーを中心に、1曲1曲衣装も着替え、かなり真剣にリハーサルしてる。
"Thriller" では、ステージが暗くなりマイケルが見えにくい;
薄暗いステージに、青白いマイケルの姿が浮かび上がる。
そして、いよいよ次は "Billie Jean"! ステージが徐々に降りてきて、ピンスポットにラメのジャケット、そして華麗なステップが鮮やかに目に飛び込んでくる!
そして、天下一品のムーンウォーク!!
もう、私は訳わかんないくらいに感動して、泣けてきてしまった; マイケルってマイケルってすごいっ!!
何度も何度もステージを繰り返してて、もう目を瞑ってたって身体が憶えているはずなのに、観客の誰もいないステージで、きちんと1曲1曲衣装を替えて、ちゃあんと歌って、踊って。午後2:30からスタートし午後9:00近い今まで、繰り返し完璧なものを追求して ここまでやっていただなんて…。
そして、曲はラストの "Man In The Mirror" へ。
すっかりゴキゲンでリラックスしてるマイケル。ダンサーと半分ふざけながら踊ってる; か、かわいいっ;
回転ヒザ打ちは、大事をとってか本番までお預け。(前にこれでヒザを傷めたのよね)
最後、「Make that change ...」 と呟いてピンスポットの中に消えていくマイケルを見て、私はどうしようもなく愛しくって、ちょっぴり切ない気持ちでいっぱいになったのでした。
さて、そんな感動の余韻に浸ってる間もなく、今度はダッシュでタクシーに戻る!
リハーサルは終了。きっとマイケルは、コンサートの時と同じように素早く帰っちゃうに違いない!
大急ぎでバンの出入口へ走っていくと、警備員がロープを張り始めている。やっぱり、すぐマイケルは出て来るんだっ;
私たちが位置について ものの数分としないうちに東パトが現われ、続いてマイケルの乗ったバンが登場!!
「キャー! マイコー!」 みんな、ロープを越えんばかりの大騒ぎ!!
しかし、マイケルの姿は見えない; バンはあっという間に左に曲がって走り去る。後を追って走り出すファン!!
私たちは停めておいたタクシーに飛び乗り、すぐさま後を追って走る!
追っかけタクは、たったの2台。目指すはキャピトル!!
途中、工事中の一方通行でバンを見失ったものの、ナイスな運転手さんがハイパースピードでぶっ飛ばしてくれたお陰で、見事!マイケルのバンに追いついたっ!!
「マイコー!!」 「キャー!」 みんなタクシーの窓全開で大騒ぎ;
タクシーはバンの右側につけて、並んで走る!
その窓に向かってワーキャー言ってたら、なんと窓が "パコッ" と外側に開いて、その隙間からマイケルの手がっっ; ヒラヒラ動いて、まるで 「ハーイv」 って言ってくれてるみたいっ。
そして、すぐ引っ込めちゃうかと思ったのに、そのまま あちこちの隙間からピョコピョコ手を出して、すっかり遊んでる様子っ; サングラスまで出して見せたりして。
私たちは、感激と信じられないのとで半分泣きながらキャーキャーやってたら、今度はもう1台のタクシーが横づけ! ペンライトを渡してるっ! すごいっ!
大コーフンの中、再び私たちのタクシーはマイケルのバンに接近し、今度はバンの真後ろに付ける。
すると、マイケルもバンの後ろに回り込んで、さっきもらったミッキーのペンライトを振ってくれてる~;
そのままタクシーがバンの左側に付けると、左側の窓は開かないらしく、マイケルは後ろの座席から助手席の窓までわざわざ身を乗り出して、ペンライトを振ってくれたのです! ペンライトと一緒に、開いた窓からマイケルの手がしっかり見えるっ;
私たちは、本当に大感激しちゃったのです。
きっとマイケルだって疲れているはずなのに、こんなファンの追っかけタクシーの相手をしてくれて、しかも
タクシーが横に後ろに移動するたびにマイケルも狭いバンの中をあちこち動き回って、タクシーに向かって手を振ったりペンライトで遊んでくれるなんて…!
マイケルのあったかい優しさに包まれてるような、信じられないような感激の中、バンとタクシー2台は、無事ホテルへと帰り着いたのでした v
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■12月14日(月)■
10階からのパフォーマンス
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今回、コンサート以外で特に心に残ったことと言えば、なんたって "ホテルの窓からのお手振りv"。
マイケルの宿泊先は、今回も千代田区永田町にある 『キャピトル東急ホテル』。(※2006年11月30日閉館)
この10階のインペリアル・スイートの窓から、ほとんど毎日のようにマイケルは、窓下のファン達に向かってパフォーマンスしてくれちゃったのです。コンサートがある日もない日も、昼も夜も。
ファンが 「マイコー!」 って叫ぶと、必ずと言って良いほど窓の障子を開け、恥ずかしそうに手を振ってくれたり、プレゼントを見せてくれたり、投げキッスしてくれたりの大サービス! 白い布に自分で "I LOVE YOU" って書いたメッセージも出してくれたりで、下で待ち続けるファン達を大喜びvさせてくれたのです。
中でもいちばん印象に残って嬉しかったのは、14日の出来事でした。
この日は朝からハイ(?)なマイケル、午前11:00ごろに早々と窓からお出まし!
マイケルってば、出たいのに恥ずかしいらしく、ソーッと障子を開けて隙間から様子を伺ってたり、手だけを出してみせたり、"I LOVE YOU" の布に隠れて上から覗き込むように下のファン達を見てる。
障子を素早く開けたり閉めたりの仕草が、なんだかチョコチョコしてて、ほんっとカワイイのっ!
下のファン達がみなワーキャー騒いでいると、その中におっきなメッセージを書いた紙を数人がかりで広げているグループがいて、私たちも思わず注目!
紙には、「子供たちの描いた絵を渡したいのですが…?」 といった内容が書かれていたのです。
そこにいたファン達は、ほとんど一体!って感じで、「マイコー!! Look!」 と窓に向かって大騒ぎ!
そうするうち、窓からピョコピョコ出るマイケルが気づいてくれたっ! マイケルは、隣にカメラクルーを呼んで、メッセージの内容を確認してる!
それから5~6分後、セキュリティのチャールズ(黒人でスキンヘッドのボディガード)が降りてきて、子供たちの絵を持って行ってくれたのです! 「必ず彼に渡すから」 と言って…!
その場にいたファン達もそれぞれチャールズに自分のプレゼントを渡すと、チャールズはイヤな顔ひとつせず 「Thank you」 といちいち言いながら山のようなプレゼントを抱えてくれる。
私たちも、大切な友人から預かってた マイケルの刺繍のバナーを、プレゼントの山に加えさせてもらう。
"どうかマイケルに届きますように…!"
チャールズがエレベータの中に消え去った後、私たちはみな大喜びしたのですv
それだけで私たちは充分満足だったのに。
マイケルは、私たちが考えてるよりも ずっとずっっと律儀で優しい人だった。
その後マイケルは、受け取ったプレゼントをひとつひとつ順番に窓から出して見せてくれたのです!
まるで、「ありがとうv ちゃんと受け取ったよ、ちゃんと見てるよv」 って言ってくれてるかのように。
今の今まで私たちが手元に持っていた物、いつかマイケルに渡そうと夢みて一生懸命に作ったプレゼント。それを今、目の前でマイケルが持ってくれてる!
私たちはみんな涙が出るほど嬉しくって、ファンの気持ちを温かく包み込んでくれるマイケルに向かって、
感謝と精いっぱいの愛を込めて叫び続けたのでした。
「Thank you MICHAEL ! I love you-!! 」
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■12月18日(金)■
東京コミュニケーションアート&東京ディズニーランド
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12月18日、この日マイケルは午後3:30ごろお出かけ。
私たちはもちろんタクシーで追っかけた。マイケルどこ行くんだろ? マイケルのバンは銀座方面に走っていく。きっとイエナ洋書店だぁっ!
タクシーで走っていると、どこかで見たような外人さん達が後ろから駆けてくる。よく見るとホテルの前にいた追っかけの外人さん達だ。ココまで走ってくるなんてスゴイ体力;
イエナ洋書店の看板が見えてきた。でもアレレ? バンは素通り。その上バンは高速に乗っちゃったの。
えーん; マイケルどこいくの? どんどん高速を走って行く。
そしてマイケルのバンは高速を降り、白いビルに辿り着いた。
タクシーを飛び降りて走ったけど、もうマイケルは非常階段下の扉に入っていった後だった。
何? この建物。マンションかな?
よく見ると、おっきい看板がかかってる。そこは江戸川区西葛西にある 『東京コミュニケーション・アート』 という音楽専門学校だった。
バンのすぐ横には自転車置場があったので、皆そこでマイケルが出てくるのを待った。そこはバンにすごく近いんだけど、自転車置場の仕切りがちょうど柵みたいになっていて、それ以上前には行けない状態だった。でもそのお陰で、セキュリティの人たちはバンと私たちの間をガードしたりはしなくて、もしマイケルが出て来れば もうっ丸見え状態って感じだった。
1時間ぐらい経ち、マイケルが出て来そうな雰囲気になってきた。
そして急に扉のところが騒がしくなった。こっちからはよく見えないけど、マイケルが扉のところで生徒と握手しているみたい。
そしてとうとうマイケルが出て来たっ!
マイケルは青いセガのスタジャンに帽子を被っている。マイケルはパッと手を上げて、ササッと あっという間にバンに乗り込んじゃった。
うわぁっv マイケルだぁ!! ほんのちょこっとしか見れなかったけど、もう舞い上がり状態。
でも舞い上がってる場合じゃないっ。みんなタクシーに飛び乗る。バンを追っかける。次はどこだぁっ。
けど、その時すでに午後5:45。明日はコンサートだし、もうホテルに帰るんだろうって思った。
しかし再び高速に乗ったマイケルのバンは、東京方面ではなく千葉方面にどんどん走って行く。
えっウソまさか?;
行く手に "ビッグサンダー・マウンテン" の岩山が見えてきた。うそぉ; 『東京ディズニーランド』(以下TDL) だぁっ!!
マイケルのバンは、TDLの社員用の門に入って行ってしまった。
そのとき時刻は午後6:15。もう真っ暗。しかも寒い;
私たちは悩んでしまった。明日コンサートだし… もしかしたら後日に来るってことでご挨拶に来ただけかも。もしそうなら、ココで出て来るのを待った方が良いのかも。
でも、マイケル本人がココまで来といて遊んで帰らないはずは無いって結論に達し、私たちは一般入場門に向かった。
TDLの中に入ると、すごく空いててガラガラのスキスキだった。マイケルがいるって雰囲気はコレっぽっちも無い。
ひとまず私たちはTDLを右の方から周ることにした。しかし、このだだっ広いTDLの中で、果たしてマイケルと遭遇できるんだろうか? 私たちは不安な気持ちで歩いていった。
すると、あっ マイケルのセキュリティっっ!!
マイケルのセキュリティが、"ミート・ザ・ワールド" の入口のあたりでウロウロしている。うわぁーい見つけちゃったv マイケルの姿は見えないけど、この中にいることは確かだ。出口で待っていればきっと会える。
周りには黒いコートを着てTDLのバッヂを付けた人たちが数名ウロウロしていた。多分この人たちがTDLのセキュリティの人たちなんだろう。
そろそろマイケルが出て来そうな時間になり、黒コートの数が増えてきた。
そしてとうとう黒コートの集団がパっと動いた。
マイケル!
黒コートの輪の中にマイケルが歩いている。
マイケルはスタジャンの上に黒いコートを着ている。しかもサングラスはしていない! 顔が白く見える。
わぁー本当にマイケルいたよぉっ;
マイケルはちょっと外を歩いて、すぐに "スター・ツアーズ" わきの関係者入口に入っていった。
私はこんな状況って初めてだったので、その間あっけにとられて何も出来なかった。
1人の人がマイケルに、自分で撮ったラトーヤの写真を渡せたんだって。そしたらマイケルそれ見てウケてたって。イイなぁ。私も何か渡したかった。でもマイケルを目の前にすると足が竦んで何をして良いのか判らなくなるんだもん。クスン; でもきっとまだチャンスはある!
マイケルは多分 "スター・ツアーズ" に入った。 "スター・ツアーズ" の出口は2階にあるので、階段の近くに座って待った。
数分が経ち、もう出て来ても良いんじゃないかって時間になった。
でも出て来る気配は全くない。黒コートの一団もどこかに行ってしまった。アレ? 何かヘン。
そう思った瞬間、目の前を女の子たちが猛ダッシュで駆けていった。
え? 何?何? 私たちもつられて走った。
すると、何だアレ?;
"スペース・マウンテン" のわきから100人(?)ぐらいの黒コートの集団が、行列を作ってぞろぞろ歩いている。その光景はほとんど大名行列状態。行列は "キャプテンEO" に向かって伸びている。
この中にきっとマイケルがいる! 行列を目で追いながら走る。
いたっ!
マイケルは、行列の先頭を歩いていた。私たちは先頭に向かって走った。そして、とうとうマイケルの近くに来た。
私はステージ以外でのマイケルをちゃんと見るのは初めてだった。
近くで見るマイケルは、ビデオと全く同じ。ううんっいやっ それよりもちょっとカワイかった。
マイケルはお人形さんみたいだった。顔はやっぱり白くって恥ずかしそうに笑ってて。頭と首と肩のバランスが良くって、すごく華奢で女の人みたいで、軽そうにぽてぽて歩いている。でも、本当はそこにいないみたい。まるでスクリーンを見てるみたい。
マイケルは "キャプテンEO" の入口を通り過ぎて、建物の左奥の方に入って行く。奥には、関係者入口が見える。
マイケル入って行っちゃうっ。私はマイケルを呼んでみた。「マイコー!!」
すると、マイケルがくるっと振り返った。そして手をぴらぴらっと振って中に消えていった。
え――っ?! マイケルがっ マイケルが手を振ってくれちゃったぁ…; うわぁ信じらんないっ。こんな一般人が呼んでも反応してくれちゃうなんてっっ。マイケルってやっぱり、そういう優しい人なんだっ。ほんの一瞬、マイケルの周りのスクリーンが消えたような気がした。
私は今度こそマイケルに何か渡そうと思って、一緒にいた人から英語を教えてもらった。
でもマイケルと私たちとの距離は遠い。マイケルが移動する時、周りにはセキュリティがいて、そして私たちまでの間は大体4mぐらい。すごく近いんだけど、その4mが遠い。近づけそうで近づけない。
自分の方からは近づけないって思った。きっとセキュリティに止められるし、マイケルが怖がったらイヤだし。だからマイケルがこっちに興味を持ってくれなきゃ近づけないって思った。だからとにかく英語で何か言わなくちゃって思ったの。
"キャプテンEO" の出口のあたりに黒コートの人が集まりだした。
出口の扉のところに、茶色のコートにTDLのバッヂを付けて大きいカメラをぶら下げた人が立っている。あの人ってきっとTDL専属のカメラマンさんなんだろうな。
そろそろ出てきそうな時間になった。
あっ カメラマンがカメラ構えた。そしてフラッシュが焚かれた。
マイケルが出てきたっ!
一斉に黒コートがぞろぞろ動き出す。
マイケルは黒コートに囲まれてこっちの方に歩いてきた。野次馬が少ないせいか、セキュリティは大きく間隔を空けて歩いていて、マイケル丸見え状態。きゃあっマイケルに近づきたい!!
私は、「プレゼント フォー ユゥッ!」 って大きい声で言ってみた。
するとマイケル、こっちを見た。
ぎゃあっ マイケルこっち見たよっ。マイケルこっち来てっ!
でもマイケルはすぐにフッと前を向いてしまった。もっと言わなきゃっ!
そしてもっと大っきい声で、「アイル ギブ ユー プレゼント!!」 って言ってみた。
マイケルまたこっち見た。そして笑った。
あーっ 笑ってくれたマイケル! 嬉しいっっ!!
そしてちょっとの間、私は記憶がない。どうしてもこの一瞬が思い出せない。
そして気がつくと私は、歩きながら誰かと手を繋いでいた。
うーん誰の手? すごくあったかい。
え? え"? うっそぉっ; これって、これってマイケルの手だぁっ!!
私は突然マイケルと手を繋いで歩いていたのだった。
でも、マイケルはすぐに手をパッと離すんだろうなって思った。ちょっと触れただけでメチャメチャ満足だった。でもでもマイケルは手を離す気配はない。それに周りのセキュリティも何も言わない。
え"ー こんなに触っていいのっ?! 何だか勿体ない。でも離したくない;
私にはすごい長い時間に思えた。でも時間にしたら約10秒くらい、マイケルの手に触れたの。
そして立っていたセキュリティにぶち当たり手が離れた。私はその場にぼぉっと立ち尽くしてしまった。
マイケルを囲んだその一団は、 "スペース・マウンテン" の関係者入口に消えていった。
マイケルが入っていった後、何人かのコが泣いて座り込んでいた。
マイケルの手になんか触れたら、きっと泣いちゃうだろうなって思ってたけど、でも私はぜんぜん泣く気にはなれなかった。その時は正直言って、嬉しいって感じも無かった。
ただもうビックリして、頭がパーって感じ。よく考えたらプレゼントをあげたいって言って寄っていったクセに何も渡さなかったし、そんな間近にいたはずなのにマイケルの顔すら見てないし、手を触る瞬間の記憶はぶっ飛ぶし、ほんとパーって感じ。
でも、いちばん印象に残っているのは、マイケルの手がすごく温かかったこと。ほんとにすごく温かかった。そしてちょっと湿っててペタっとしてた。
で、すぐ後に思わず、繋いだ方の手のひらの匂いを嗅いでみちゃったの; そしたらかすかにイイ香りがした。マイケルって何か付けてるのかなぁ。
それに、マイケルって自分からファンの手を振り離したりしないんだ。マイケルっっ なんてイイヤツっっ!!
でも、今はいつまでも浸っている場合じゃない。
今度はマイケルが出て来るのを待ってなきゃっ。
私たちは "スペース・マウンテン" の出口の方に行ってみた。でも出口付近にはだんだんと野次馬が集まってきて、黒山の人だかり状態になってしまった。
"スペース・マウンテン" から出てきた人は、みんな口々に、「マイケルがいたっ」 「マイケルがいたっ」 って言ってる。
友人が、出てきた男の子に中の様子を訊いてみた。そしたらなんとその子は、マイケルの後ろに乗ったんだって。マイケルは2回乗ったそう。で、マイケルの印象はっていうと、博多人形みたいに白かったって;
どんどん人が増えてくる。うわぁ; マイケル、果たしてこの状態で出てこれるのか。
そう思いながら周りを見回すと、アレ? 黒コートの人たちが全然いない。えぇっ; ヘンだ。セキュリティがいないなんて絶対ヘン。
きっと人が集まって来ちゃったから違う所から出るんだ。TDLの地下には迷路みたいにVIP用通路がたくさんあるって聞いたことがある。そんな所を通られたら、マイケルどこ行っちゃったか判んなくなっちゃうよォっ; どぉしよぉーっ;
なんて思っていると、TDLのカメラマンがこっちに向かって歩いてきた。そしてすれ違う時に、かすかに会話が聞こえた。
次は "イッツ・ア・スモール・ワールド" から出てくるところを撮りましょう 。
えっ? "イッツ・ア・スモール・ワールド"?
"スペース・マウンテン" から "イッツ・ア・スモール・ワールド" までなんて移動できるの?
でも、カメラマンは "イッツ・ア・スモール・ワールド" 方向へと歩いて行く。その後ろにも何人かの黒コートが同方向へと移動していった。
どうしよう。
もし "イッツ・ア・スモール・ワールド" に行ってもマイケルがいるって保障は無い。もしその間にマイケルが "スペース・マウンテン" から出てきちゃったら、その後マイケルの動きが全く掴めなくなるかもしれない。
でも私たちは、イチかバチか、 "イッツ・ア・スモール・ワールド" に行くことにした。
私たちは "イッツ・ア・スモール・ワールド" に走った。
すると、いたいたっ。 "イッツ・ア・スモール・ワールド" の前に黒コートがうろうろしている。絶対ココだぁっ!
ひとまず中に入ってみる。入口付近は高くなってて乗り場が見渡せる。
すると、さっきのカメラマンが乗り場に立っていた。ここにいればマイケルに会える。
マイケル一体どこから出て来るんだろう。ひとまず乗り場に下りずにそこで待つことにした。
すると急に、出口の方から黒コートがぞろぞろ入ってきた。
そして、あっ マイケルっ。
黒コートの中にマイケルがいた。出口の方から乗り場に歩いてくる。マイケル、コートの衿を手で立てて笑ってるっ!
私たちは乗り場に駆け下りた。マイケルはボートを挟んですぐ向こう岸にいる。
マイケルは、ボートから降りてくるお客さんに握手したりしてる。その中に赤ちゃんを抱っこしているお母さんがいて、マイケル目ざとく見つけて赤ちゃんのホッペをポヨポヨって触ったりしたのv マイケルってホント子供が好きなんだね。
マイケルはセキュリティの人たちと一緒にボートに乗り込んだ。
私たちはそこから3mほど離れた柵ごしにマイケルを見ていた。でも偉かったのは、誰も柵を乗り越えなかった。
私たちがきゃあきゃあ言ってると、マイケルは手を振り恥ずかしそうにしてる。すごいかわいいv
そして1人のコが、「I love you」 って言ったの。私は狂ってて聞こえなかったけど、マイケルも 「I love you」 って言ったんだって。そしたら後ろに乗ってたビルが何かマイケルを冷やかすような事を言ったの。マイケル、くるっとビルの方に振り返った。
そしたらマイケル、どうしたと思う?
ファンからもらったミッキーの風船で、ビルの頭をポコって叩いたんだよっ。
マイケル照れちゃっててスゴイかわいいのv
マイケルを乗せたボートが出発。マイケルがアトラクションの奥に消えて行く。
みんな係員に追い出され、外に出る。
マイケルどこから出てくるのかな。とにかく一般出口付近で待ってみる。
黒コートがうじゃうじゃ列を作って、マイケルが帰る道を作り始める。
そして突然すごい歓声が上がり、至る所でフラッシュが光った。
マイケルが出てきた!
もうその時はすごい状態だった。ものすごい数の人がマイケルを見ようと群がる。えーん; マイケルが見えないっ。
すごい人混みの中から、黒コートの人が周りの人を押しているのが見えてきた。
マイケルは、ファンからもらったペンライトとか風船とか手紙とかを両手でしっかり握ってて、すっごいかわゆいっv
でももうその時って、すごい揉みくちゃ状態。全然マイケルに近づけない。
マイケルはかなり長い間 一般通路を歩いて、関係者用通路に入っていった。
またマイケルどこに行ったか判らなくなってしまった。
いろいろ考えて、マイケルが "ビッグサンダー・マウンテン" に乗らずに帰るワケがないって思い、そこに向かう。神様、お願いだからまたマイケルに会わせて;
歩いていると、向こうから黒コートの人が2,3人歩いてきた。 あっ あの人、"スペース・マウンテン" の時にもいた。その人たちは、私たちとは反対歩行へと歩いていく。
あの人たちに付いて行けば、マイケルに会えるかもっ! でもぜんぜん見当違いだったらどうしよう;
"ビッグサンダー・マウンテン" に行くか、黒コートに付いて行くか。
よしっ 駄目モトで黒コートに付いて行こう! 私たちは黒コートを小走りに追っかけた。
そして辿り着いた所は、 "スプラッシュ・マウンテン" だった。
マイケルこういうの絶対好きそう。
そのアトラクションは、外から乗っているお客さんを見られるようになっている所がいくつかあった。もしかしてマイケル流れて来ないかなぁ、なんて思って見ていた。
すると、空のボートばかりが流れて行く。もう暗いからおしまいなのかも。
マイケルここにはいないかも。他を探そう、そう思った時、人が乗ったボートが流れてきた。
うっそぉ; マイケルだ! マイケルが向こうから流れてきた。
マイケルは ぴらぴらっと手を振って、目の前を流れていった。
うわぁ; マイケル本当に流れてきちゃうなんてっ ラッキーv
マイケルもう1回乗るんじゃないかって思って、ちょっと場所を変え、またマイケルが流れてくるのを待った。でも今度は一般のお客さんがどんどん流れてくる。マイケルもう別の所に移動しちゃったのかも。
なんて思ってると、突然 "スプラッシュ・マウンテン" の奥の方から黒コートの人たちが どぉっと出てきた。
そしてその真ん中にはマイケル!!
マイケルが向こうから歩いてくる。めちゃめちゃラッキーv
マイケルとすれ違う。そのまま追っかける。
マイケルはすぐに何かの建物に入ってしまった。入口のドアが閉められ、その建物をセキュリティがぐるっと囲んだ。
これは一体何のアトラクション? そこは "グランマ・サラのキッチン" というレストランだった。
私たちは窓にへばり付いて中の様子を見ていた。その窓のすぐ中に階段が見える。ウェイトレスさん達が、グラタンなんかをいっぱい持って階段を行き来している。
マイケルどこにいるのかな? 窓からは奥の方までよく見えない。きっとマイケル、判らないうちにVIP通路を通って帰っちゃうんだ。
私がもう諦めていると、友人が言った。
「マイケルの足っ!!」
え? マイケルの足?! どこどこっ?
窓を覗くと、なんと下の方からマイケルが階段を上ってくる。マイケルは、外のファンに気がついて手を振ってくれる。
マイケルはそのまま奥の方に入っていった。私たちの方からはもう見えない。
マイケルきっと今ゴハン食べてるんだろうな。やっぱりお弁当持参なんだろうな。
セキュリティのおじさんが言うには、マイケルは、閉園になって他のお客さんが帰ってからじゃないと出て来ないって。もうマイケルを見るチャンスは無いみたい。でも帰る気にはなれないので、追い出されるまでココにいようと思った。
35分くらいが経つ。
諦め気分で窓を覗いていると、急に中の方が騒がしくなる。ぞろぞろっと人がこっちの階段に向かって歩いてきた。
えっ; よく見るとマイケルがいる!
マイケルはまた手を振って、階段を下りて地下に消えていった。
マイケルはどこかの出口から出てくるかもしれない。そう思って 出てきそうな所を探す。でももうセキュリティの人たちもどこかに行ってしまった。
もう閉園時間みたいで、お客さんの姿も見えなくなった。人がいないTDLってヘンな感じ。
お掃除のお兄さんがいたので、レストランにウラ出口とかあるのかを訊いてみた。そのお兄さんが言うには、1つの建物につき3つほど従業員用出入口があって、その他にもVIP通路とかもあって、ヘタすると1つのアトラクションに10コぐらい通路があるんだって。そんなにあったらどこから出てくるかなんて判らないや;
TDLのセキュリティの人がいっぱい出てきて、園内点検を始める。私たちもとうとう出ろって言われる。
きっともうマイケルはTDLの中にはいないんだろう。私たちはTDLを出た。
後日 聞いた話だと、その後マイケルは一般客がいなくなってから記念撮影をして、午後11:30ごろホテルに帰って来たそうです。
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■12月21日(月)■
羽田セガへ、大おっかけ!
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これまでの数日間の出来事で、マイケルの温かみある優しさを改めて感じた私たちは、
「何とかマイケルに感謝の気持ちを伝えたい」
と思い、それぞれにメッセージを込めたプレゼントを用意。動物園の写真集,サンタクロースやヘビのぬいぐるみ,etc…。その中には、2~3日前にTさんとMさんが、「必ずマイケルに手渡ししようね!」 って話し合ってた "MOONWALK" の会誌も3冊あったのです。
それぞれの想いを胸にホテルの下で待っていると、午後2:00ごろマイケルがお出かけしそうな気配。周りのファンも私たちも、タクシーを停めて固唾を呑んでバンが出てくるのを待つ。
キンチョーで心臓が飛び出そう;
と、その時おもむろに駐車場付近からファンの悲鳴が! マイケルのバンだっ!
東パト,マイケルのバン,セキュリティが乗っているバン(エスティマ)の順に飛び出していく!
「キャーマイコー!!」 その場で待機していた追っかけタクシー7~8台が急いで後に続く。私たちは、マイケルのバン,エスティマの3~4台後ろっ!
「運転手さーん; 頑張って;」 「マイケルのバンの横に付けてっお願い;」
すでにこの時点で半べそ状態だったりで; 車内は異様な雰囲気;(運転手さんからすれば…;)
信号待ちのあと再びスタートし、右折しながら前を見ると、はるか前方にマイケルのバン。そしてバンの右側の車線は… ガラ空きだぁ!! 思い切って車線変更し、マイケルのバンを目指す!
ぐんぐん迫ってくるバンと、ついに横に並ぶっ;
「マイコー!!」 猛スピードで走る中、私たちは落っこちるほど身を乗り出し、バンの窓に手を伸ばす。でも届かないっ;
「マイコーお願いっ;」
叫んだ瞬間… バンの窓が "パコッ" と外側に開き、隙間からマイケルの手がっ!! こっちに向かって差し伸べてくれてる…; しかし、スピードの乗ったバンは、そのまま勢いにのって遠ざかっていく。マイケルの手も、どんどん離れていく…。
あとちょっとのところで届かない残念さと、でもマイケルが返事をしてくれたことの嬉しさで、私たちはタクシーの中 大泣き状態; 「マイケル、窓開けてくれたね。嬉しいねー」
バンは高速に乗り、羽田方面へと走り続ける。
後を追いながら、「羽田ってことは、また 『セガ』 かなぁ?」 「横浜とか行っちゃったりして…?」 なんて話してて、ふと気がつくと、今日の高速はなんだかとっても渋滞している。車がなかなか進まず、ノロノロ走っては停まり、停まってはノロノロ。
「こんなトコで横づけ出来たら最高だよねぇ」 って話しながら少しすると、再び右車線がガラ空き状態! さっきと同じシチュエーション!
「うっ運転手さん! こっちの車線に入ってっ;」 前方のマイケルのバンに向かってまっしぐら!
そして… 横づけしたところで、今度は渋滞でバンが停まっちゃった!
「マイコー! プリーズ;」
タクシーから身を乗り出して叫ぶと、再び窓が開いて、今度こそ… マイケルの手!
「ハーイv」 って言ってるみたいにヒラヒラ揺れているっ!
私たちは感激でおいおい泣きながら、今朝それぞれに準備してたプレゼントを差し出す。マイケルの手が、狭い窓の隙間から1つ1つ中へ引っ張り込んでくれる。サンタのひげやヘビなんて、大きくって窓につっかえちゃったんだけど、こちらから押し込むのと同時にマイケルも一生懸命に引っ張ってくれて。
そしてついに、"MOONWALK" 始まって以来、初の快挙!! マイケルに会誌を手渡し!!
マイケルの大っきな手が、メンバーの想いがギッシリ詰まった会誌を掴んでる!!
「良かったね、良かったね;」 Mさんは鼻水まじりの大泣き状態;
後ろのタクシーからは、「頑張ってー!!」 「もう少しー!!」 って応援の声が飛んでくる。
車が再び走り出し、マイケルの手が遠ざかっていく 。
しばらく経って私たちもようやく落ち着いて、周りのタクシーに状況を訊いてみたら、皆それぞれプレゼントを渡せたり握手できてたみたいで、みんなみんな本当に良かった!
そのまま高速を走り続け、追っかけタクシーと共にマイケルがやって来たのは、やっぱり 『羽田 セガ・エンタープライゼス本社』。
バンはあっという間に駐車場に入り、マイケルは裏口から素早く建物の中へ。
ファンは皆タクシーを飛び降り、寒風の中 約1時間、本社沿いの歩道で柵越しにマイケルを待ち続ける。
ファン20~30人に加え 近所のガキん子やおばさま方まで集まって来てしまい、東パトのおじさんもニガ笑い;
「みんなー、タクシーで追っかけて来るんなら反対側の通りに停めておとなしく待ってるんだぞっ。必ずそこ通るから、ちゃんと仲良く帰るんだぞー」 って言ってくれて、ファンも素直に 「はーい」 とお返事。
一方そのころ、遊び倒し中のマイケル
マイケルのバンにはいくつもの紙袋が積み込まれていく。
午後4:00を過ぎて、いよいよマイケルが出てきそう!
ビルの後に続いて… あ! 見えたっ!
セガジャンパーに帽子のマイケルが、背中丸めて照れ臭そうにして、一瞬にしてバンに乗り込む!
ファンは、声を揃えて 「マイコーv アイシテマース!!」 コール。
バンがゆっくり進んで車道に出たあとも道は思いっきり渋滞で、そのままストップ。
あっという間にファンがバンを取り囲むっ!
「マイコー!! マイコー!!」 みんな我を忘れてギャーギャーワーワーの大パニック状態!!; 近くの自転車は倒れそうだし、もうめちゃくちゃ;
そしたら、こんな状況なのに、マイケルはまたしてもバンの窓を開けちゃったのです!
隙間から手を差し込むファン。替わりばんこに握り返してくれるマイケル。
1人のコが窓の下から覗き込んで中を見たら、確かにそこにいたのはマイケルで、サングラスを外したその表情は意外と冷静で、窓の外の情景をジーッと見てたんだって。
渋滞も解け、ファンに大サービスしてくれたマイケルは、『セガ・エンタープライゼス本社』 の後 もう1軒回るため(場所は未だに"?"です;)走り去り、15~20分後、東パトの人が言ったとおり元の道へ戻ってきてくれたのでした。
行きと同様、追っかけタクをゾロゾロ引き連れてバンは再び高速へ。
帰りは横づけこそ出来なかったけど、なんとマイケルのバンの真ん前!に付けて、ユラユラ揺れてるマイケルの帽子の影を見つめながら渋滞の高速を走ったのでした。
みんなで今日1日のことを思い出して、幸せ気分いっぱいの夢のドライブは、それから約1時間あまり続いたのです 。
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