【 Mr.ストロング氏、MJを語る 】
( インタビュー特別編 : TV出演番組より )

( VOL.23 / Jul 1990 )

 先日、関西地方のローカル番組『ハイ・ソサエティ』で、マイケルの肖像画『The Book』を描かれたMr.ストロングが、インタビューの中でマイケルとのプロジェクト等について語っていました。
 番組を観られなかった方のために誌上レポートしちゃいます。


 Mr.ストロングは、両親とも芸術家で4歳の頃から芸術に携わってきたという根っからの芸術家。
 絵画・彫刻・モニュメントの制作など、アメリカでは国家的な仕事にも関わっていて、大変高い評価を得て、現在のダヴィンチ・ミケランジェロ等とも評されている偉大な芸術家です。

 以下、TV番組でストロング氏が語った内容です。(マイケルの話題だけを抜粋)


 実は、私がマイケル・ジャクソンのポートレートを描こうと思ったのには、私なりに大きな意味があったのです。
 この次に描く人は 80年代に一番活躍したビッグな人にしようと思ったんです。1980年代にクリエイティブな活動をした人を描こうと決めたんですよ。

 私はマイケルに電話しました。
 「マイケル、私は国籍や宗教・人種・年齢にこだわらず、80年代に一番活躍した人のポートレートを描きたいんだ。マイケルのポートレートを描かせて欲しい」とね。
 マイケルは、「それはスゴイ!」と大変喜んでエキサイトしてくれました。

 それが昨年(89年)の9月頃だったんですが、その頃から彼が家へ来てポーズをとり、私がスケッチするようになりました。
 このポートレートは10月に(製作の)正式発表し、11月には既に全体の3/4が完成した状態になっていましたね。マイケルも大変喜んでくれました。


 私たちが初めて逢ったのは、1983年でした。
 初めてマイケルを見た時には宝物みたいな人だと思いました。
 彼は、人生の喜びや創造・クリエイティブの塊で、とても才能のある人だと感じました。
 もちろん、彼の音楽は以前からとてもインパクトのあるものだと思っていました。


 お互いに時間をかけていろいろ話し合って、2人で何かクリエイティブなものを造り出そうと話し合ったんです。
 このポートレートがそのプロジェクトなんですが、ポートレート自体は私の物であってマイケルの物ではないんです。マイケルのために描いたのではありません。それでは2人の共同作業になりませんからね。
 話し合った結果、『ジャクソン&ストロング』という合弁会社を作ることになりました。そこでミュージシャンとしてのマイケルの成功と、芸術家としての私の成功を記念して、あのポートレートをプリントして売ることにしたんです。ポートレートを売る時は、沢山の人から譲って欲しいと言われました。
 結局、話し合って手放したんですが、お陰さまでミリオン単位の金額で売ることが出来ました。これは世界的な記録になるかもしれません。

 それから、またマイケルのポートレートを描くんですが、これはマイケル個人のために描くのでプリントはしません。大体2~3年後になります。





 今は、アメリカがロシアに贈るモニュメントを製作中です。
 これは65フィートの大きさで、核ミサイルをデザインしているんです。これにはマイケルも参加するんですよ。
 昨日電話で話しましたが、マイケルは
 「モスクワで世界中の子供たちと“We Are The World”を歌えたらいいな」と。
 このモニュメントは、世界の平和を産み出すという意味でもとても重要な物になると思いますよ。ですから、私自身も世界の平和という想いを込めて造っていますから、自然と力が入ります。

 その他には、マイケルが総指揮を担当しているウォルト・ディズニーの大きなモニュメントがあります。
 それには約65トンもの大理石を使うんです。大きさは約10フィートの高さです。
 デザインは、ディズニーのキャラクターが椅子に座っていて、その後ろでウォルト・ディズニーが人物像を彫っているものです。
 そして、マイケルのブロンズ像も造ろうと思っているんですよ。マイケルは“キャプテンEO”として存在してますからね。私は彼を新しいディズニーのキャラクターの1人として表現したいんです。
 形としては、ブロンズ像のマイケルが沢山の子供たちと共にディズニーの彫刻を見上げている、というものにしたいと思っています。

 今、私のやっているペインティングは『ビジョン・オブ・ヘブン・オン・アース』という物なんですが、実はこれもマイケルと一緒にやっているプロジェクトなんです。
 12フィート×16フィートの大きさで、はっきりとしたコンセプトに基づいて造られています。
 世界の20都市を取り上げて、現在の環境保護問題にもっと目を向けてもらおうと、ゴミの再利用化などを表わしているんです。
 この絵には2,200万ドルという大変高価な値段がつけられていますが、この絵が売れたらその複製を東京都を通して環境保護協会へ寄付しようと思っています。そしてそのお金で、汚染問題やガラス・ゴミの再利用化を呼びかける運動に使って欲しいと思います。もちろん、世界中の20都市に同じように呼びかけていきます。
 マイケルも当然同行しますが、この『レイン・ホレスト』という計画ではマイケルはホスト役を務めることになります。
 そして私がビジュアル面を・マイケルが音楽面を担当する役割が決まっていますが、他のエンターティナーも20ケ国を回ることがプラスになるのであれば喜んで一緒にプロジェクトをやって欲しいと思います。それだけ影響力も大きくなり、注目も集めますからね。
 絵に高価な金額をつけたのも、1つには注目を集めるためでもあるのです。


 私たちは、('90年)6月の終わりに日本へ行く予定です。【※1】
 先ほどお話ししたマイケルのポートレートに、2人でサインをすることになっているんです。今から東京へ行くのを楽しみにしています。
 あの、20ケ国に呼びかける『ビジョン・オブ・ヘブン・オン・アース』を完成させるためにも、日本・特に東京をもっと知りたいと思っています。


※1 … EXPERIENCE 『サイカ・肖像画除幕式』 参照

UPDATE - '06.10.15