【 ロサンゼルス漫遊記 】
 
≡ BAD Tour in LA'89編 ≡
 
( VOL.8 / Feb 1989 )
 | 
 
■1月26日■ (1日目)
  | 
 お昼にエンシノへ行った日の夜にコンサートだなんて嬉しくて嬉しくて、会場へ着くまでずっと興奮し続けていました~v 
 「中止なんてことないよねェ…」と不安そうに言う子もいたんだけど、運転手さんの一言でホッ。 
 「大丈夫ですよ。だって自宅で確認したじゃない!」。 
 ――それもそうね! 
 
 
 
 会場はロサンゼルス・スポーツ・アリーナで、15,000人収容のところだった。 
 会場の外では、夜空に向けいくつものサーチライトがグルグルと回り、照らされている。 
 入場前のボディチェックも日本よりかなり厳しく、手荷物を見せたり、探知機でピストルやドラッグ持ち込みをチェックしたり… 
 ステージは日本よりも狭く、しかもかなり低い!! 
 ほとんど丸見え!! 
 どこから観ても、良い席ってことになると思うのだけど…(東京ドームは広すぎて死角が多かった) 
 スピーカーも上から吊ってあるし、ステージの後ろからも観れるように作られている。 
 
 「さーてと! 私たちの席ってどこかしらねェ…」 
と歩いていたら、おやっ!ティファニーじゃないの! あらっ!デビーギブソンじゃないの! と、スターさん達もいっぱい来てました。 
 …と!! いきなり場内が大騒ぎ!! 
 2階席に白い服で現われたのはジャネットだった。 
 「ジャネット・ジャ――クソン!!」と、後ろの子供達が騒ぎまくっている。(私も騒いでたけど) 
 ちょっとテレくさそうに、キュートな笑顔でとっても控え目に立っていたジャネット! 
 
 
 
 開演予定より約50分遅れ(8:50pm)でのスタート。 
 ドドド~~~ッ!と鳴り響き、心臓まで揺れ動く!! 
 スモークの中にマイケルが!! キャ―― つま先まで丸見えじゃ~~ん!! 
 
 
 『スタート・サムシング』、とにかく声の出が良い! 
 マイケルの動きが鋭く、ステージ狭しと動き回っている。 元気!ゲンキ! 
 
 『ハートブレイク・ホテル』・『アナザーパートオブミー』と、たたみかける様に歌いかけるマイケル!! 
 2mの大男も、隣・前・後ろの席でノリまくっている。(プロレスラーみたいで怖いのよねェ~酒飲んでるしさぁ~。そんな中でのマイケルって地獄の中に花一輪って感じなんだものォー) 
 スタンドマイクを斜めに自分の方へ傾け、そのスタンドを手で下から撫であげるようなセクシーポーズに失神しそうでした。 
 
 『ヒューマン・ネイチャー』、1つ1つ言葉を納得させるかのように噛みしめながら歌う。 
 「Why, why, ~ Everybody!」の声で、場内いっしょに歌い始める。 
 ミラーボールは後ろの席を照らし、その真下に立っているマイケルは、まるで星のシャワーを浴びているようだった。 
 後ろからライトで浮かび上がった中、パントマイム風パフォームでその光の中へと消えてゆく。 
 
 『スムース・クリミナル』、スルスルと幕が3枚下りてくる。 
 ハートブレイク・ホテル風イントロから始めるクリミナル!! 
 アメリカでは映画公開されなかったが、ビデオ売り上げは結構あったしプロモーションもあったことだし、ウケていた。何よりも、ダンスと5人ムーンウォークが驚きと感激を与えているようだった。 
 
 
 
 ステージ右に白いテントが現われ、その中へ静々と入ってゆく。 
 
 
 静かなイントロ、ミラーボールは満点の星をステージに降らせ、『キャントストップ・ラビング・ユー』。 
 情熱を込めて歌うマイケルだが、しっかり音のチェックはしていて、バックミュージシャンに「音をもう少し下げて!」と手で合図を送っている。 
 シェリル・クロウと寄り添い、彼女の腰あたりに左手を! 
 
 歌がパッと終わり、「あれ~どこへ?」って風に手を額にかざし… 
 始まりました、『あの娘が消えた』。 
 これがまた結構ウケるからマイケルも癖になっちゃうのねェ~! 
 マイケルが「降りてもいい?」って言う前から、ステージ下で女の子達が「飛んで来い!」とばかりに手招きするわするわ! 
 下へ降りたとたん ガバーッと抱きつかれたマイケル! 
 始めは女の子の背を軽くポンポンと叩いていたら、女の子もマイケルの背をポンポンと叩いて…たんですゥ~。なのになのに、女の子の手がだんだんと下へさがり、マイケルのお尻を撫で回すのよ~~! 
 そんなのありかァ~~!! 
 もうすごいのよ、むこうの女の子ってこれでもか!って位 自己アピールするんだもん…。やっぱし、日本の子って恥じらうから、きっとマイケルも「カワイイ~」って思うんじゃないかしら… と、ひたすら自分を慰めてた私でした。(よく見える席のお蔭でよーく見てしまいました) 
 ようやくステージの上へ戻ったマイケルは、まるで演歌でも歌うように、マイクを左右に振りまくってた。 
 
 マイケルの“泣き”が入ったところで次は『モータウンメドレー』です。 
 モータウンへの感謝のお言葉が入り、 
 「今夜は特別ゲストが来ています。モータウンの頃からお世話になっているベリー・ゴーディ!」。 
 
  
この日の公演にはベリー・ゴーディJr.やダイアナ・ロスらが駆けつけた
 
 明るく楽しく歌い踊った後、『アイル・ビー・ゼア』では皆が手を高く上げ左右に大きく振る。この時も、最後にマイケルはマイクを左右にブンブン振ってたのよねェー 
 
 コンッコンッコンッと かかとでリズムを取ろうとするけど、お客さんもノリまくってて急かせるもんだから、なかなかうまくリズムが取れず苦労しているようでした。 
 ピッタリ合って『ロック・ウィズ・ユー』。 
 左右のスタンド席までよく動き回っていた。 
 
 
 
 バラードではアリーナ席の人を(セキュリティーが)座らせてしまうのだけど、ノレる曲は、やっぱり立って踊ってしまうのです。 
 でも、アメリカの人って結構素直にすぐ座っちゃうんですよね。 
 ムードが良いのか、バラードになるとやたらアベックがkissしてるしさ~~! 皆マイケル観てるっていうより自分の世界に浸ってて、それでもやっぱし「ワォ~!」と騒いでいるし… 
 
 声を高く張り上げ、ズトンって感じで終わり、不気味なイントロの中、ステージ右のテントに入ったはずのマイケル、テントの中がゴソゴソと動き、ドアがギギ~ッと開く音と共にオオカミのマスクを被ったマイケルが…けどこれってマイケルじゃないって、もう知ってる。 
 東京ドームの時と同じように、ターザンのごとくロープでお出まし?と思いきや、ステージ左にドカーンと花火が爆発し、そこから現われたんですゥ。 
 ステージ中央でガバッとマスクを取り歌うんだけど、口の中にマスクの糸くずでも入ったのか、やたら指で口の中をモゾモゾと探っていました。 
 電飾チカチカのジャケットで、ビデオのように踊っている。 
 
 
 
 ワッハッハァ~と笑い声で終わり、ブレイクタイムです。 
 もうグレッグ居ないんだよねェー…と、ちょっぴり淋しい気分。 
 
 ブレイクタイムも、リックのドラムで『ワーキン・デイ・アンド・ナイト』のイントロへと繋がり、再びマイケルの登場です。 
 白のジャンプスーツ! 
 ストップモーションの度に沸き起こるワォ~~という観客の声! 「Michael~」っていう声援より、「ウワァオ~~!!」っていう方が多いみたい! 
 ステージ左にマジックの階段が出てきて、マイケルは駆け足で滑り込むように… オ~ッと!って感じでした。 
 
 
 ステージに埋め込み式になっているクレーンがせり上がってきた。 
 スモークが、湧いてくるようにクレーン台いっぱいに篭もる。 
 クレーン台に上がる階段を上がるマイケルが見える! 上がり切れなかったのか、後ろからスタッフに押し上げられてたみたい。 
 パッとスポットが当たり、「オ――ッ」というマイケルの雄叫び! 
 下から吹き上げる風で、黒いマントがマイケルの顔にベタ~ッとへばりついちゃって、うるさそうに手でどけるんだけど、それでもへばりついちゃう。3回位それを繰り返してました。その顔がムキになってたから、妙にかわいく思えたのでしたvvv 
 
 ステージの前方にドカーンと花火が上がり、ピンスポットの中、マイケルが両手を広げて立っている。呼吸がすごく、お腹で息をしていました。 
 
 
 暗くなったステージを少し歩き回りながら『ビリージーン』のスタイルをしている。 
 白っぽいピンスポットに、帽子に片手を当て、ドラムのイントロから始まる。 
 完璧にキメまくっている彼のパフォーマンスに、会場全体が興奮している。 
 ムーンウォークも つま先立ちもピタッと決め、まるでマリオネットを観ているような錯覚にさえなってしまう。 
 スパーッと飛ぶように帽子が観客席へ投げられ、それがファンの手に渡るのをチラッと見た後、彼はステージ左へスタスタと立ち去ってしまった。 
 
 電光板に浮かび上がる“BAD”の文字… 
 『BAD』では、もう皆ボルテージが上がり切っていて、大合唱するわ DISCOになってるわで、お祭り騒ぎ!! 
 「Who's Bad!」とポーズを決め、ライトが消えた後、またステージをウロウロ…通路を歩いている。 
 そこにマイケルが立ち、再びイントロと共に「オ~ッ!」と叫び、両腕を挙げ腰を振りながら踊りまくるマイケル!! 観客はまたしても興奮の中へと引きずり込まれてしまう。 
 
 
 
 バック・ミュージシャンの紹介です。 
 グレッグが居なくなってどうなるのかしら?と思っていたら、彼の代わりのキーボードさんに、ちょっぴり遠慮がちに頭を撫でていたマイケルです。 
 
 子供達の登場! 
 アレ~?! あの子ったら…『ムーンウォーカー』のブランドン・アダムスくんじゃないのォ~! そういえば公演前、BADの衣装を着て、ママと歩いてたっけー! 
 
 
 
 ブランドンくんは、一生懸命踊りまくってた。観客に見てほしいっていうよりマイケルに見てほしいって感じで、本当にかわいかった。まるでスパイクとのやり取りのように、マイケルも踊る! 
 すっかり食われたジミーくんも頑張ってましたヨ。 
 ブランドンくんやジミーくんを見るマイケルの顔が、「コノォ~ッ!」って感じでした。 
 マイケルご機嫌の笑顔です。 
 
 
 ステージから子供と共に下がった後、場内はアンコールの要求! 
 ドタバタと足を踏み鳴らすんです。 
 じらしてじらした挙げ句のアンコール! 『ザ・ウェイ・ユー・メイク・ミー・フィール』のスタイルしてる! 
 あ~~ッ! シャツが白い~~☆ ブルーじゃなくって真っ白なんだものォ~。その姿が眩しいの。『ダーティ・ダイアナ』の時に着ていたのより、もーっと真っ白でした。 
 途中、黒のボディコン姿でシェリルが、マイケルの周りをスキップしながらステージをあちらこちらへ行くんだけど、そのシェリルのボディコンの背中あたりにマイケルったら指を引っかけ、ゴムみたいにピン!と弾くんですゥ。3回もするのよーエッチ~! 
 
 ダンサー4人に囲まれ、中央でキメのポーズした後、『マン・イン・ザ・ミラー』へ… 
 回転ひざ打ちを2回もし、熱唱!! 
 いったん曲が終わり、バックミュージシャン達と抱き合い、ご苦労さまって感じでした。 
 マイケルの合図で再び曲が始まる。 
 うずくまるように熱唱していた彼は、ゴロッと横向きに寝転がりながらも歌い続けている。 
 そして最後に、Vサインで 「Thank you. I love you」と言葉を残し、ステージから去ったのでした。 
 もう時計は PM11:00近くになっていました。 
 
 
 | 
■1月27日■ (2日目 - LAST)
  | 
 PM7:30頃、会場近くの道が渋滞し始める。 
 ラジオでは、 
 「今日はマイケル・ジャクソンのラストツアー・コンサートがある日で渋滞すると思われますので、皆さん早めに家を出ましょう!」 
なんて放送している。 
 場外で、オリジナルに作ったTシャツ・バッヂを売るオニイさん達が車に向かって声をかけているし、ダフ屋も「I need ticket」の札を掲げ必死になっているし、へんな商売まで出ちゃって頼んでもいないのにムリやり車の窓拭きBoy! よけい汚れちゃうんだものォー参った! 
 
 会場に入る時のセキュリティーチェックで、両手を上げ「さぁ!調べてくれ!」とばかりにやったらば、「お前なんていいからさっさと入れ!」って具合に、何のチェックもされずパス! まるっきり子供扱いされちゃいました。 
 昨日も今日も子供連れの人が多くって、マイケルのお客さんてホントに上品でした。 
 
 
 グッズ売場を大慌てで走っている時のことだった。 
 4~5人の16~17歳の女の子にいきなり囲まれ大騒ぎ!! 私が着けてるバッヂを見て喜んでるんです。 
 1人の娘がとても優しい笑顔で、「英語わかる? 少しなら平気?」と訊いてくるんで、「ウーン… 少しだけェー…」と図々しくも答えてしまいました。 
 そしたら次から次へと質問してくる。 
 どこから来たの? これどこで売ってるの? JAPAN Tourは良かった? 彼をどう思う? 彼はNo.1だと思う? って調子で! 
 「もちろんNo.1よ!! 彼が大好きで東京で何度もコンサートへ行ったヨ!」 
と言うと、これがまた大変で、1人ずつ抱きついて大喜びするんだもの。あんまり感激されちゃったんで、マイケル人形のキーホルダーを1つ取って 
 「あなたにプレゼントするわ! 1つしかあげられないけどゴメンね…」 
と言うと、他の娘が冗談っぽく 
 「勿体ないからあげなくっていいのヨー!」 
って言うんです。それでも 
 「いいですヨ、あげるわ!」 
と言い、その場を去ろうとしたら(とにかく私は大慌てだったので)、私の腕を引っ張って止めるのです。 
 まだ何か訊きたいことあるのかなぁ? と思ったら、キーホルダーをあげた娘が、自分の帽子に大切そうに着けているバッヂを取り外し、 
 「私はJ5の頃のマイケルも好きで、ビクトリーの時はコンサートへ行ったのヨ。これはその時のもので、もうたった1つしかない物だけど、お礼にあげるわ!」 
と私のジャケットに着けてくれたんです。 
 
 その娘にとって、そのバッヂは宝物だったと思うんです。他に何も着けていなかったし… そんな大切な物をもらってしまって… 
 その時の私は慌てていたので気づかなかったけれど、後になって思うと、その娘の気持ちに感謝しなければとつくづく感じたのであります。 
 
 
 
 場内がまだざわついている。 
 …と! スタンド席通路にマイケルのそっくりさん! 
 手を振ると、恥ずかしそうに笑って手を振り返してくれる。 
 そこへ、BAD姿のそっくりニイちゃん!(TVで見たことあるワー) かなり堂々とした態度でありました。場内も大ウケで口笛は鳴るわ声は飛ぶわ! 
 そしたらさっきまでのそっくりさんは、気まずそうに隅っこへ行っちゃった。 
 「あなたの方がGoodよ!」とサイン送ってあげたら、テレくさそうに「Thank you…」って言ってた。 
 
 今日は、エリザベス・テイラーやジェーン・フォンダも来てる! 
 さすが大物スターで会場中大騒ぎという1コマもあったのです。 
 ミコも子連れで来てました。1歳半位かしらね? ちゃんとスタッフ・ジャンパー着てたのヨ。 
 
 
 
 …それにしても始まらない。 
 足を踏み鳴らし、マイケルが出てくるのを待つ観客たち! 
 ようやく始まった頃には、もうPM9:10頃になっていた。 
 
 
 
 
 
 今日はステージの右横から観ていたので、『ヒューマン・ネイチャー』のライティングが違う角度から観ることが出来た。 
 マイケルのシルエットを真横から見ている状態だったんだけど、そのライトとのバランスがさすがに頷いてしまうほど素晴らしい。 
 
 『キャント・ストップ・ラヴィング・ユー』では、また「音を下げろ」と手で合図を送っているし… 
 
 『あの娘が消えた』で、例のごとく女の子に抱きつかれたマイケルは、ほとんど振り回されちゃって少々ウンザリ気味! 
 
 『モータウン・メドレー』に入る前、またベリー・ゴーディへ感謝してました。 
 今夜も来てたのね! 
 
 やたらと目立つ日本人! 『ロック・ウィズ・ユー』で、ステージ右へパーッと駆け寄って来たマイケル! 
 私たちの前には人が邪魔になってもおらず、ここぞ!とばかりにVサインガンガン出して騒いでた。そしたら指差してニコーッと笑ってくれました! ラッキー☆ 
 
 『スリラー』でマスクを取り、スタジャンをガバッと脱ぐはずのマイケル! 
 けど、一番下のボタンが取れなくって「あれ?!」って感じのズッコケマイちゃんでした。 
 
 
 
 そういえば…『アイル・ビー・ゼア』の時、髪を束ねるマイケルって素早かったなぁ… 
 水飲んだり汗拭いたりと、自分で歌いながらせっせとやっておりました。 
 
 今夜の『ビリージーン』は凄かった。 
 回転ムーンウォークを2回も入れてくれたんです。 
 マイケルの想いがこのムーンウォークに全てかけられているかの様に… その足は、まさに宙を歩いているかの様でもあり…。 
 
 
 
 曲が終わり、暗い中 ステージを歩いている。 
 ステージの通路をゆっくり歩き、後ろの席の観客にタオルを2回投げ、プレゼントです。 
 
 『BAD』、このイントロ聴くとドームの最終日を思い出し、胸キュンになってしまうのですー。 
 ドドド~~ッ!と響き鳴るイントロと共に、スクリーンに映し出されるBAD… Who's BAD…? 
 観客総立ちで大合唱!! 
 私の前の席にいた女の子も狂ったように踊っている。(それまでしつこく私に酒を呑め!って言ってたくせにィ~!) 
 
 子供達の登場です。 
 ミコの子が出てるゥ。たどたどしくもダンスしているのでした! ゼンマイ仕掛けのオモチャみたい!! 
 
 
 
 マイケルがケラケラッて笑ってる。 
 ロスでのマイケルは、ステージ上であんまり声を出してまでは笑わないんだもの。日本じゃよくゲラゲラ笑ってたのになぁ…?! 
 その国なりのファンのウケ方も違うし、マイケルってそーゆーものをキャッチ出来るすごい人だとつくづく感じました。それは決して、日本では…ロスでは…と差をつけているのではなく、ファンとマイケルとが一体となり生み出す興奮というものの違いだと思う。 
 
 アンコールを期待しつつも、それがラストになるのだと思うと、何とも複雑な心境で… 
 今日も、昨日と同じく真っ白のシャツで現われた。まるでバレエダンサーのように、足を横にピーンと張り上げ舞う その華麗な舞いがライトによく映え美しい!! 
 ダンサー達も、ステージが近くて低いせいか、ステージの端まで来て、客席に向かって踊りアピールしてくれる。 
 会場全体が軽やかで楽しげな雰囲気に包まれる。 
 
 ラストナンバーに入る前の暗いステージで、マイケルは手でパタパタとシャツやズボンの汚れを叩いているんです!(『ザ・ウェイ・ユー・メイク・ミー・フィール』で腹這いになった時に汚れちゃうんだと思うけど) 
 
 
 準備OKで、『マン・イン・ザ・ミラー』のイントロが… 
 東京ドームの時とも昨夜とも なんだか違う想いで、まるで初めて観た時のような感動が胸に迫まってきた。 
 マイケルも、全ての力を出し切って、想いを込め熱唱しているように感じられた。 
 
 曲が途切れ、バック・ミュージシャン1人1人と抱き合いながら、これで本当にお疲れさまです! 
 メンバー全員の顔が感動に満ちている。 
 長期にわたるワールドツアー… 自分達へのねぎらいと、ファンへの感謝と、そして何よりもマイケル・ジャクソンへの賛辞と… 
 
 いくつかの花束を受け取ったマイケルは、それをステージ隅に丁寧に置き、定位置に戻ったバック・ミュージシャンへ軽く合図を送ると再び曲が流れ、熱唱へと入ってゆく。 
 ステージにうずくまり、そのまま横向きに寝転がり、喘ぐように歌い続ける。 
 そしてラスト… 
 ピンスポットの中、両手を大きく広げ、立ち尽くしている。 
 とても長い時間のように思えた。このまま時が止まってしまえば良いとさえ思った位 長かった。 
 喝采を浴び、立ち尽くしているマイケル。 
 
 
 「Thank you. I love you!」と笑顔でステージから去って行くマイケル。 
 いつの間にか流れていた涙は、日本の時とは違う涙だった。 
 あの時は、「もう終わり?! もう会えないの?!」と号泣したけれど、今夜は違う…。 
 「マイケル、ありがとう。長い間のワールドツアーお疲れ様でした」。 
 ありがとう、本当にありがとう…と、何度も何度も呟いていた。 
 
 
 パッと場内が明るくなり、時計を見ると、PM11:10… 
 しばらくはその場を立つことが出来ずにいたが… 
 「マイケルは全てを観せ終わってくれたのだから…」と思い、ようやく重い腰を上げる。 
 
 ホテルに戻る車中、「1人で感動を温めておきたい」と、私たちはそれぞれがそんな想いでいた。 
 「今夜、マイケルはどんな想いでこの夜を過ごしているのだろう…」 
と、ロスの夜景をぼんやり見つめながら思う…。 
 
 
 
 コンサートの次の日には、新聞の1面に大きく出ていた。 
 “スーパー・メガ・スター、マイケル・ジャクソン!!”。 
 やっぱし、取り上げられ方が並のスターとは段違い! なんて今さら感心しちゃって! 
 
 
 | 
'87年9月から'89年1月まで 約1年4ケ月もの間、 
マイケルは世界中を駆け巡り、人々へ忘れ得ぬ感動を与え続けてくれました。 
これからもきっとマイケルは、私たちを感動と興奮の渦に巻き込んでくれるに違いありません。 
彼のMAGICは果てしなく続いてゆくと思うものォー。 
 
ありがとうマイケル!! 
またいつか! 
きっといつか!…ネッv 
 
 
 
 |