【 子供と食べ物について 】
― "Pigtails and Froglegs" より ―

( VOL.73 / Mar 1995 )
家庭用 “料理”本 『ピッグテイルス&フロッグレッグス』('93年発行)には
マイケルによって特別に書かれた序文が載っています。
今回はそれを日本語訳にてご紹介します。

日ごろ "食べ物" には縁遠い(?!)ようなイメージのマイケルなだけに、
料理の本にコメントを載せちゃうなんて珍しいですよね。
でも内容はマイケルらしくて温かく子供への思いやりに満ちていて感動しちゃいます。
マイケルって本当に、世界中の子供たちの "パパ" って感じですよね!



 子供にとって食べ物は、一種特別なものです。
 おいしいとか健康な身体を作るというだけでなく、食べ物は 『愛情』・『保護』・『安全』等、家族が与えられる全てのものです。
 思い出してみて下さい。あなたが幼かった頃、お母さんはあなたの為にパイを焼いてくれたでしょう。そして切り分けてお皿に乗せ 一口食べさせてくれたでしょう。それは愛情以外の何物でもありません。
 母親は子供たちがお腹を空かせないように気を配ってくれて、子供もお腹いっぱいで満足していると幸せな気分になります。それはパイの中にあった幸せです。お母さんが愛で育ててくれたのです。

 食べ物は、私たちが精神的に必要な何かでもあるのですが、愛でもあり栄養でもあります。それが私たちの中に蓄積されていくのです。
 その事がどんなに子供の成長に必要な事か、この本を使う前にあなた自身でちょっと考えてみて下さい。

 この本の中には美味しそうなものがたくさん載っています。
 それぞれいろいろな材料が使われていますが、それは書いた人たちが子供のことを考えたからです。特に貧困や病気、身体が不自由であるため充分な栄養が摂れない子供たちのことを考え想いを馳せています。食べ物を必要としている子供たちもいるのです。
 ヒール・ザ・ワールド基金のテーマは 『心を寄せて』 なのですが、この本のテーマもそうなのです。そうした気持ちのこもった料理が載っています。
 作る時は、どうかそんな事も考えてみて下さい。あなたの子供は、きっと愛で強くなった心を持つ人物になるでしょう。
 卵を割り、小麦粉を量っている時、あなたは魔法を混ぜ合わせ、人生へのプレゼントを作っているのです。
 たんぱく質とミネラルは骨や筋肉を作りますが、料理にこもった気持ちは、直接 『魂』を育てます。

 子供の心に必要な事を、皆が大切な事として考えてくれるようになって、僕はとても嬉しく思っています。
 子供には、直接戦争を終わらせたり 昔からの紛争を治めたりする力などありません。ただ感謝の気持ちで輝き、愛を感じた時に喜ぶだけです。
 それでも、最後には素晴らしい力を持つようになる存在ではありませんか?

 子供の瞳の中で、あなたは喜びの素となります。
 あなたは、「自分の作った料理の中には砂糖とスパイスしか入ってないわ」 なんて思うかもしれませんが、子供はもっと賢いものです。最初の一口でそれが愛情の入った特別な料理だと判るのです。

 それでは、お料理を楽しんで下さい。

   マイケル・ジャクソン
ヒール・ザ・ワールド基金


4年後、マイケル自身も 息子の瞳の中で喜びの素となった

『 Pigtails and Froglegs : A Family Cookbook from Neiman Marcus
Marcus Neiman/著  Chuck Jones/イラスト
Harcourt社 1993年9月1日発行
ハードカバー 256ページ  US$19.95
ISBN-10: 0152616977 ・ ISBN-13: 978-0152616977

UPDATE - '07.05.07