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大部分のスーパースターにおける定義は、噂が彼を取り囲むことである。また、それを黙認すること。
10年間というもの、TV等のインタビューには応じていませんが、今回、初の放送インタビューにイアン達が成功しました。
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バックステージにマイケルと一緒にいて、マイケルに近づけば近づくほど「マイケルってどんな人?」と質問される。
彼は、他の人とはまったく違う。それが認識されていない。
本当の彼を知るのなら、ここから始めなければならない。自分自身をこの幻想の中に置いてみることだ。
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クールに飛ぶポップスのピーターパンのステージが繰り広げられている。
彼はピュアなエンターテインメント・マシーンと化す。
私は『カウントダウン』という番組で、10年前ニューヨークでのインタビューを思い出した。
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・・・ 10年前のインタビューの一部が流れる ・・・
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学生生活を満足に出来なかったことを後悔してない?
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M
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とんでもない! とっても楽しかったよ。
学校へ行ったお陰で、何かを学ぶってことが好きになったしね。
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私はオーストラリアで音楽関係の仕事をしています。
あなたの小さな妹さんも有名ですよ。彼女はファンキーですね。素晴らしい人です。
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M
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彼女は本当にファンキーだよ!(笑)
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過去を振り返ってみよう。
知ってのとおり、長い道のりであった。ステージで歌うために生まれたこの少年は、アメリカ・ミュージックシーンの中で育ち、そして10年間に10ミリオンのレコードと歌を定着させた。
そして彼は幻想となった。
世界は彼がロックするのを待っていた。
東京のホテルで待っている間にも、彼はこのインタビューに後悔し始めているようだった。
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・・・ BGM : 『Rock With You』 ・・・
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M
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また会いましょう。
(ホテルの部屋で他の誰かに言っている)
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良い条件のインタビューでは無かった。質問も限られ、時間の制約もあった。
私は、数年前のインタビューのことを持ち出した。
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あなたはあの時、たくさんの愛とインスピレーションがあると言っていましたが、10年過ぎた今、それは実現しましたか?
1977年の時に言っていた事は本当になりましたか。
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M
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僕の一番の夢は叶ったと思う。成し遂げることが出来て感謝してる。時間が経ったからそうなったのかは判らないけど。
いろんな事をしたけど、みんなちゃんと実現したな。僕はとても幸せだよ。
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暖かな9月の夜、6万人の観客がマイケルのステージを観る。今夜は東京だ。
11月には、このマジック・ミステリー・ワールドをオーストラリアでも観ることが出来る。
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M
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(今回のツアーで) とにかく僕は踊りっぱなしだよ。
いつだってダンスは大好きだ。
僕が3歳の子供の頃は、サミー・デイビスJr.やフレッド・アステアやジェームス・ブラウンの真似ばかりしてた。その頃どんな風に踊ってたかは忘れちゃったけどね。
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古くからのスーパースターがそうであるように、マイケルの私生活も人の目に晒される。
整形手術・エレファントマンのこと…。
どのくらい真実なのか、我々は質問のため、伝説のマイケルのマネージャー・フランク・ディレオにインタビューした。
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我々の書いてきたことで、嘘とか傷ついたこととかあるのですか?
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D
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いつもその質問があるのは本当です。
あなた達は気にしないかもしれないが、マイケルは傷つくし、私も傷つくのです。マイケルは私よりもっと傷つきやすいのですから…
だからその噂を調べてみると、実にくだらない。
つまらないことなのですが、そういう記事を書いて生活しているどうしようもない人々がいるということです。
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エンターテインメントのパワーを見せつけられ、ステージ上のスポットライトに照らされ、これほどになると、外出するのにも何か身を変えて行かざるを得ないでしょう。
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M
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よく行く劇場にも、こっそり出入りしなくちゃならない。
普通の人なら出来るような事が出来ないんだ。それが名声の代償ってやつで、仕方のないことなんだ。
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変装して外出しても、友人とかが見つけてしまうんじゃないですか?
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M
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まったく信じられない位の変装をするんだ。母ぐらいに太ることも出来るよ。
そうやって普通の人の生活を垣間見るのは楽しい。変装することだって楽しいよ。
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ディズニーランドにてピエロに変装 86年、外科手術用マスクを愛用し始める
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・・・ BGM : 『Thriller』 ・・・
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アルバムのセールスを伸ばすことを実現させるために、そのやり方(自分流の)を前もって調べたりするの?
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M
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このアルバム『BAD』は、今の時流に合わせたものなんだ。
こんな風にするのが望みの1つだったからね。
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4,000万枚売った『Thriller』は、曲が変わっているというだけではなくビデオも変わっていた。
それはマイケルの偉大なる特徴であるダンスのせいであろう。
彼はビデオに、ニューヨークのゲットーを思わせるダンスを持ち込んだ。
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君が(ダンスを)選んだり創ったりする時、何を考えた上で、なのですか?
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M
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物事を気をつけて見るように心掛けてごらんよ。特に子供たちをね。見たこと全て必要なことばかりだ。
どうやったら皆を楽しませてあげられるか・また、楽しみを満喫する方法も解るしね。
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彼のダンスは、いつも全てフレッド・アステアやフランク・シナトラのアイデアだと言っている。
ミュージックビデオのように、スポットライトが29歳の彼に当たる。
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Q
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彼はまるでレーザームービーのようだ。
いつでも彼は宿題をしている。して来なかったことなど今もって無いさ。
ほんの少し前に彼を呼んだんだけど、その時「初めてのソロ・ツアーでナーバスになってやしないかい?」と訊いたら…
「No! 夜まで待ってられないよ!」だとさ!!
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マイケルのパフォーマンスを観ていると、彼が何かに奮い立たされているという事が判るであろう。
神聖なもの・それは4文字の言葉「LOVE(愛)」である。
それが真実だと彼は信じているのだ。
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M
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僕は、子供たちや動物たち・クインシーにフランクが大好きだ。 ― 僕はクインシー・フリークだよ ―
それに旅行もね。いろんな文化や子供たちを見るつもりなんだ。楽しみだな。言うなれば、それが僕をこのツアーへと掻き立てた一番の理由だよ。
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それは1985年の夏、ライオネル・リッチーと共作した『We Are The World』からも、彼の人柄は伺える。
私はそのレコーディングに立ち会った幸運な人間なのである。それはスーパースター達の一大コレクションでもあった。
マイケルは完璧に自分の役目を果たし、それは夢のような共演であった。
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M
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僕は、何か国歌のようなものが欲しかったんだ。世界中の誰もが歌えるようなもので、ロマンチックで簡単なものを。なおかつ、ポップスのチャートにランクされるようなものをさ。
まだ取りかかってもいなかったのに、ある朝起きたら曲が頭の中にあったんだ。
それからスタジオへ行った。僕の作ったデモテープを持って。
まず、クインシーはどんな風にライオネルと曲を作るかを訊いた。その場にはカレンとクインシーがいたはずだ。
で、僕のデモテープをかけて。それにライオネルがいろいろと付け加えていった。
誰がどの部分をどうやって作ったかなんてことを言うのは嫌なんだ。わかるでしょ?
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それは面白い話だなぁ。
今までのマイケルは優等生で通ってきたが… 今度の彼はこんな風にしてやって来た!
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・・・ BGM : 『BAD』 ムチのような音 ・・・
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彼独自のロックンロール、セックスとドラッグの無いこのスーパースターは、クールにキメた『BAD』が最新作である。
この音楽業界では一晩で曲を創ることも珍しくはないが、マイケルは『BAD』を完璧なものにするために6年間もの月日をかけた。
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なんでそれほど時間がかかったのですか?
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M
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おやおや… キツい質問だねぇ。
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当初からあなたが9曲書く予定だったのですか?
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M
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そう。僕にとって曲を書き溜めるってことは、とても大変なことなんだ。何年もかかるよ。
どうやって曲を書くのかなんて言えない。 作曲活動はとても大変な作業で一種の霊的な作業だから、僕がそうしようと思っても出来ない事なんだ。
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青いライトにピーターパンが導かれてやって来た。
マイケル・ジャクソンは確かに現代の音楽を創り上げた人々の一員なのだ。
誰かが言ったように、彼は決して大人にならない子供。スティーブン・スピルバーグも言っている。彼はどこかステキな所からやって来たに違いないと。私は、出来れば時には彼の世界に浸りきりたいと思う。
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マイケルに会って最初にした質問はこうだった。
「アルバムが完成した時、どんな感想を持ったか?」。
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M
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元気を回復したよ。何しろとっても長い間仕事をした後だったからね。
とにかく長い時間をかけた。たくさんの人々がその成果を聴くわけだからね。
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『BAD』にはどの位の時間がかかったのですか?
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M
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憶えてないなぁ。
言えるのは、つまらない物にはしないようにしたって事。
早く出来る曲もあれば、時間のかかるものもあるよ。
どうやって出来るのかを言えるのなんか1曲もない。だって僕がやったんじゃないもの。神様が作ったんだ。僕じゃない。
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マイケルにとって作曲とは、霊的な作業なのだ。
だが、ビデオ『BAD』のアイデアは違う。人の技である。
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M
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あれは本当にあった話なんだ。タイムかニューズウィーク・マガジンから取ったんだ。
ゲットーから抜け出して何かをやりたいと思って都会の学校へ行っていた子がいたんだ。
で、その子が春休みか何かで帰って来て、町に残っていた古い友人たちと会った。ところがその友人たちは、彼に会って彼に嫉妬し、とうとうその子を殺してしまったんだ。
でも、もちろんビデオの中の僕は死なないけどね。
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アルバム『BAD』は、いま現在のマイケルの芸術的野心の結晶だ。
彼は様々なスタイルの音楽に挑戦している。たとえば全く新しい分野であるヘビィ・メタル。
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M
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『Dirty Diana』は大好き。お気に入りのひとつなんだ。
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何故ですか?
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M
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あの曲は、グルーピーの生活についての歌なんだ。グルーピーってあまり良くない言葉だけど、他に言葉が無いから。
僕もそうだったし、同じように世の中には旅回りの仕事をしながら成長する人間が沢山いるんだよ。僕はもうその頃のことは憶えてないし、今はもう出来ないけどね。
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憶えていないんですか? もう出来ない?
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M
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もちろん。でも、いろんな事を学んだよ。
殆んどの人は故郷から出ず、他の素晴らしい場所を知らない。
子供たちが本の中でしか知らないような世界中のいろんな場所を、僕は自分の目で見る。だから僕は幸せだ。何もかも得ることなんか出来ないんだよ。
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いろんな所でコンサートをするのはどんな気分ですか?
何万人もの人達があなたをひと目見ようと待っているんですよ。
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M
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素晴らしい気分だよ! 特にみんなの笑顔が見えた時には。
ファンを愛してる。とってもスウィートなんだ。こんな想いが出来ることをとても感謝しているよ。本当に。
こうなるのが当然だなんて思ってないよ。
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今度のアルバムの中で、私が個人的に一番好きなのは『Man In The Mirror』なんです。
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M
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うん。僕もそうだよ。
もしこの世の中を良くしたいと思ったら、自分を見つめ 自分を変えていくんだ。
僕は絶対に満足したりしない。いつも良い世の中にしようって思って仕事をしてる。希望を持ってね。
僕は僕の音楽でみんなに幸せを届けるんだよ。
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何百万ものファンは、何故ここ(日本)からツアーを始めたのか不思議に思ったことだろう。
答えは簡単だ。
“ヨーロッパや南半球などの、『VICTORYツアー』を観るチャンスの無かった人たちの為に”。
ツアーの前にあなた方をノックアウトしてしまいましたね。
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= END =
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