シンガポール動物園職員インタビュー '93 】
( VOL.71 / Jan 1995 )
 ペーパーバッグ本 『The Bad Year』 からの和訳です。
 DANGEROUSツアーでシンガポールを訪れた時の ホッと心安らぐひとときが目に浮かびます。




 DANGEROUSツアー中、シンガポールではマイケルは 6頭のオランウータンと遊んだりして、まるで動物狂のような1日を過ごした。
 動物園へプライベートで行きたいということで、そのために1日閉園してもらえないかと頼んでいたが、残念なことにそれは実現しなかった。
 その代わりといって、動物園側は 6頭のオランウータンをマイケルのホテルに届けたのだった。


シンガポール動物園の職員たちとオランウータンたち


 マイケルはこの計らいに大喜びし、ホテルのプールサイドのきれいなテラスにリズと座っている時でさえもオランウータンと遊び、可愛らしい仕草に喜び、抱きしめてキスしていた。
 シンガポール動物園の職員であるバーナード・ハリソン氏は次のように語っている。
「連れて行ったオランウータンは、大人が2頭・子供が2頭・そして2頭は赤ちゃんでした。
 ジャクソンさんは本当に彼らに夢中で、一時も目が離せないようでした。」

※当時の写真ではありません


 最初マイケルは、この友達をホテルのスイートでもてなしたかったのだが、ホテルのマネージャーが、物を壊したり汚したりするのではないかと心配したので、戸外でちょっとしたパーティーを開くことに決まった。
 白い手袋をしたボーイが、プールサイドの大理石のテラスに座っているマイケルや リズや ラリー・フォンテスキー(リズの夫)らに飲み物をサービスしている様子は、まさにティーパーティーだった。
 オランウータンは、2つの大理石のテーブルに着いてコーラを音を立てて美味しそうに飲んでいた。
 彼らは、そこらの普通の猿とは違っていた。
 “Ah-Meng”という1頭は、非公式ではあるが国のマスコットで、切手にもなり、VIPにも逢っている。[※1]


 パーティーのあと動物園側は、マイケルの楽しんだ様子を見て、閉園後の動物園に招待することにした。
 マイケルは、リズと一緒に動物園の70エーカーの敷地をバンでドライブした。
 バーナード・ハリソン氏は、その時の様子を次のように語っている。
「ジャクソンさんは、動物たちに対しての畏敬の念を持っているようでした。
 胴体のまわりに輪を繋いでいくゾウの芸がお気に入りで、ワニのエリアでは釘づけになっていました。 5m以上もあるワニを見て とても驚いていました。
 きれいな色のマンドリルを見た時などは、車から飛び降りて立ちすくんでいましたよ。」

・・・ END ・・・



― 付 記 ―
[※1] … Ah-Meng について
   '71年、スマトラ島からペットとして違法に輸入されたところを保護され、動物園へ。
   '82年、園内のレストランで彼女と朝食を取れるサービス開始で一躍人気者に。
   '86年までに世界中の約30本の映画出演・270の新聞雑誌の特集に取り上げられ、
   日本でも 「モンちゃん」名で親しまれる。
   '92年、シンガポール政府観光局から特別大使に任命。
   マイケルやリズ以外にも、チャールズ皇太子やデビッド・カッパーフィールドとも対面。
   '08年2月8日、老衰にて逝去。 48歳(人間換算で約95歳)の大往生。
   4頭の子供・6頭の孫を遺した。

UPDATE - '08.03.18