【 有名人が語るMJエピソード '95 】
= マイケルと私 ― Michael & Me =
VIBE誌 1995.夏合併号より
( VOL.77 / Jul 1995 )


■リサ・マリー■
 マイケルは、どこからみても真のアーティストだわ。 特に美的感覚が素晴らしいし、ロマンティックなの。 これこそが、かつて下劣なコメントに晒されていた彼なのよ。
 私もそうだけどマイケルは時々甘く見られてしまって、人間的にも誤解されてきた。 私にはエサを巣穴に引きずり込もうとしている舵を持ってなんていられないの。
 私たちにはそれが誰なのか判っているし、彼らのハッタリが何と言われているのかも知ってるわ。
■クインシー・ジョーンズ■
 マイケルは、数万人の観衆の前ではパフォーマンス出来るけれども、僕1人のために歌ってくれと頼んだりしたら、僕はソファーに座って目を隠さなくちゃならんだろうね。 それから彼はさらにソファーの後ろに回り込むんだ。
 驚くほど恥ずかしがり屋なんだよ。


クインシーと 彼の娘でスタイリストのキダタ嬢と

■ジミー・ジャム■ (プロデューサー/ソングライター)(『HIStory』 に参加)
 今まで一緒に仕事をしてきた人間の中で、マイケルがいちばん情熱的だった。 マイケルにとっては全てが音楽に通じる事であり、また全てが 「その音楽はどうしたらもっと良くなるか」 っていう事なんだよ。

 楽しんで仕事をしているし、気持ちは子供なんだ。
 マイケルのオフィスは、普通のオフィスとは違うよ。 みんな子供のオモチャを持ってるんだ。 よくTVゲームをしながらセッションしたよ。
 その時のマイケルはこんな風だった。
 「さぁ、これをやっちゃわないと。 あ、でも…ゲームが終わってからでいいよ。君のゲームを台無しにしたくないからね」。

 マイケルに関して言うと、全て才能だね。 花火の爆発や他のダンサーを付けたりせずにステージに出ても、マイケルはショーを自在にやってのけるだろうね。

 新しいアルバムに "Childhood" という曲があるんだけど、マイケルがあんなに気持ちをレコードにぶつけるのは初めてだと思うよ。 その中で、彼は自分の立場… 彼が自分自身をどう思っているのか・他人が彼をどう受け止めていると思っているのか等を明らかにしている。

■ヘヴィー・D■ (MCレーベル経営)("JAM" のラップ担当)
 初めてマイケルが俺と一緒にレコーディングしたがっているって聞いた時はカリフォルニアにいたんだけど、マイケルはビッグだし、その話はウソに決まってるって思ってたんだ。
 それからマイケル側から、マイケルが俺に興味を持っているという電話が入ったんだけど、まだ信じられずにTVの 『どっきり』 かと思ったんだ。
 それで相棒と出かけていって待たされている間、もし本当に 『どっきり』 だったらこの部分は使えなくしてやろうって話してたよ。 そしたらマイケルから、「今そちらに向かっているところだよ」 という電話が入った。
 着いた時、マイケルは 「やぁ、元気?」 ってな感じだったよ。 マイケルは普通の人と何ら変わりなかった。 ごく普通のことを話したよ。
 彼はとっても礼儀正しいね。 彼が "信じられない程のエンターテイナー" だという事を忘れさせるよ。 彼の名は "マイケル・ジャクソン" であって、 "超人マイケル・ジャクソン" なんかじゃないんだ。 俺たちみたいに間違ったりもするんだよな。

 俺がいちばん好きなマイケルの曲は、"Music & Me" だね。 古い曲なんだけど、彼と音楽のことを歌ってる。 歌への愛情,曲と一体になった時のこと,… なんか女の子への曲みたいではあるけど、全て歌についての曲なんだ。
■R.ケリー■ (歌手/ソングライター/プロデューサー)(『HIStory』 に参加)
 マイケル・ジャクソンと話をしている時って、ちょっと奇妙な感じなんだ。
 なんだか飛びたくなかったんだけど… マイケルがヒントをくれて、あぁ、俺は飛行機が嫌だったんだなって解ったりしてね。
 マイケルと仕事をするっていうのは、普通のオフィスでの仕事とは わけが違うんだ。

■ケニー・ギャンブル&レオン・ハフ■
  (プロデューサー)(ジャクソンズの 『THE JACKSONS』,『GOIN' PLACES 』 担当)

ケニー・ギャンブル
 マイケルとはスタジオで追録する時に会ったんだけど、彼はいろんなアイデアを持っているし、何にでも興味を持つ。 クリエイティブで気高い人物なんだよ。
 '81年の "Rock With You" は、まさにそれだ。 彼とクインシーはマジックを起こした。 マイケルはミラクルなんだ。

レオン・ハフ
 マイケル達(ジャクソンズ)が初めてフィラデルフィアにやって来た時に、ケニーはホテルからスタジオまで歩いて移動することにしたんだ。 彼らが歩き出すと、ファンの女の子たちが押し寄せてきて、彼らは映画館に逃げ込んだよ。 彼らがスタジオに行く時にはいつも騒ぎが起きた。
 ファンの女の子たちは6ヶ月もキャンプしていたよ。 100人もの女の子たちが、夜中の3時や4時にスタジオの外で寝てるんだ。
 僕が好きなマイケルの歌かい? '77年の "Show You The Way To Go" だね。
■ナオミ・キャンベル■ (スーパーモデル/女優/歌手)("In The Closet"のSFで共演)
 マイケルは何にでも関わっていて、何にでも一生懸命で、何にでも彼の名が連ねられているわ。
 すごい事を成し遂げた人という割に、彼は恥ずかしがり屋で、優しくて、いたずら好きなの。 ビデオを撮っている時も、私たちは水鉄砲で遊んだわ。
 彼って完璧主義者ね。
■テディ・ライリー■ (プロデューサー)(『DANGEROUS』 と 『HIStory』 に参加)
 彼は、一番すごくて、革新的で、 "BLACK" なんだよ。

■スラッシュ■ (Guns N' Rosesのギタリスト)(『DANGEROUS』 と 『HIStory』 でプレイ)
 あいつは本当にすごいエンターテイナーで、いたって普通の人間だよ。 俺が音楽業界で出会った中で、マトモなのはあいつだけさ。
 俺はジャクソン5を聴いて育ったんだ。 "Dancing Machine" が好きだったな。

 しばらく仲間だったわけだけど、あいつは俺のやりたいようにさせるんだ。
 ベースになる部分を聴いて自分のパートを創ると、皆がそれを編集する。 時々、どんな風になっちまうのかと思ったけど(笑)、いつも良いデキさ。

 あいつはすごいヤリ手だし、ユーモアのセンスもあるぜ。

 みんなが俺に、「彼ってヘンな奴かい?」 って訊くけど、そうだな、普通の奴とは違ってるな。 だけどショービジネスの世界で育ってきたんだぜ。 仕方ないだろ。 マイケル・ジャクソンとの仕事は、いつものロックンロール・バンドとは違うってことは認めなくちゃな。

 ある時マイケルの仕事でプレイしてると、マイケルがブルック・シールズと入って来たんだ。 その時の俺ときたら、片手にタバコ・片手にジャックダニエル(ウイスキー)・首からギター、ってな風だった。
 けどあいつは、それを意に介したりなどしなかった。
 あいつのやり方とは違うだろうが合わせる必要はないという俺のやり方を、あいつは認めてくれたんだよ。
■テイタム・オニール■ (女優)
 一緒に仕事をしたことはないけど、私が12歳でマイケルが17歳だった頃は、本当に良い友達だったわ。 2人でダンスをしたり、電話で話したり…。
 私が12歳で運転が出来て、マイケルの方が年上なのに運転が出来ないっていうのが面白いねって言ってたわ。

 私がまだ父(俳優のライアン・オニール氏)と暮らしていた時、マイケルはよく家に来たの。 とても恥ずかしがり屋で… 私の部屋に入って来たことがあるんだけど、ベッドに座ろうとさえしないの。
 そうかと思えば、セッションした事もあるのよ。 マイケルがドラムで、弟がギターで、誰かが他の楽器をやって…。 テープに録ったんだけど、どこかへ失くしてしまったの。

 12歳の時、『THE WIZ』 のプレミアに一緒に行かないかって言われたことがあるんだけど、それを私の代理人が、マイケルの事をそんなにビッグだとは思っていなくて 私のためにならないと考えて断わっちゃったのよ。
 それからマイケルは私に話しかけて来なくなったわ。 私が断わったと思ったんだろうけど、私じゃないのよ。 …私は子供だったのよ… 言われたとおりにするっていうね…。
 マイケルがそのことを知っているとは思えないから、この話はぜひ本に載せてね。

 そのことが原因で連絡を取らなくなったから、それ以上は彼のことは知らないわ。
 でも大好きよ。 今まで出会った人の中で一番っていうくらいに善い人で、純粋な人よ。
 その頃のことを言っているような気がするのよ… "She's Out Of My Life" が…。
■ダラス・オースティン■ (ソングライター/プロデューサー)(『HIStory』 に参加)
 マイケルと仕事をするのは、普通の仕事をするのとはちょっと違った気分なんだ。
 作品とかお金ではなく、時間的なことで嬉しくなるんだ。 だから仕事から解放されると興奮するよ。

 マイケルの事をすごくコントロールされてる人間みたく思ってるかもしれないけど、マイケルは気に入った人物からその専門的な意見や技術を欲しがるんだ。
 "Heal The World" と、アルバム 『HIStory』 からの "Stranger In Moscow" こそが、彼だと思うよ。 世界を変えることに責任を感じていると思う。
 彼は、現実世界にいるただ1人きりのスーパースターさ。 その事を考えてみてくれよ。

・・・ END ・・・

UPDATE - '08.10.26