【 DANGEROUS tour に備えて 】
( VOL.48 / Nov 1992 )
マイケル来日に備えて、彼のステージやバックミュージシャン、
スタッフについてもお勉強しておきましょう!
マイケルを百倍楽しく観る方法

■THE BAND■
バンドメンバー

Greg Phillinganes(グレッグ・フィリンゲインズ) ‥‥ ミュージカル・ディレクター&キーボード
グレッグについて、私たちは何と言えば良いでしょうか? 音楽の天才?
彼はジャクソンズの『DESTINY』のレコーディングをして以来マイケルと仕事をしています。
そして決定的に言える事は、マイケルの音楽のスタイルに影響を与えた人でもあるという事!
Jennifer Batten(ジェニファー・バッテン) ‥‥ ギター
ツアーの間中、あのドラゴンヘッドでギターを弾く女性ギタリスト、ジェニファー!
I banezギターを弾き、Dean Marlkeyストリングスと同様に Kong A/z multi FXシステムで演奏し、デジタルミュージック・グランドコントロールMIDIをワイヤレスマイクに繋いで使います。
最近、初のソロアルバム『Above, Below and Beyond』を Vossレコードからリリース。
David Williams(デビッド・ウィリアムズ) ‥‥ リズム・ギター
デビッドは、I banezと Starfieldギターと Dean Marlkeyストリングスで演奏し、その装備は、Rirerアンプと同様に JBLスピーカーを通して聴けます。
A Digtech Ips 33 Smartシフトは、2つの違ったワイヤレスマイクを通して送られます。
デビッドはマイケルと『Off the Wall』・『Thriller』・『BAD』・『Dangerous』で共演しています。
Don Boyette(ダン・ボイエット) ‥‥ ベース・ギター
ダンは、Ken Smith 5-String bassと同様に、Rolan JD-800キーボードを使います。
彼はグランドコントロール・デジタルミュージックシステムを通して、SNRプリアンプとキャビネットコントロールドを演奏し、そのサウンドは、ヤマハ TX802/TG77, MX8 MIDI mapperに加えて DBx160により増幅されています。
ダンはマイケルのBADツアーで一緒に仕事をし、ライオネル・リッチーやスティーブ・ニックスとスタジオで仕事をしました。ナタリー・コールやポインター・シスターズの詞を書いたりプロデュースもしています。
Rick Lawson(リック・ローソン) ‥‥ ドラム
リックことリッキーは、Remoドラムと Paiste cymbalsを演奏します。
彼は、AKAI MPC 6011/MB76を使い、そのサウンドは、Tascam MM-1、ヤマハ MV802と BBE/822を通して繰り出されます。
彼は、ジャズ・フュージョングループ、ザ・イエロージャケットの共同創設者。そしてアニタ・ベイカー、ポール・マッカートニー、ケニー・ロギンス、ベイブと CeCeワイナー、ポインターシスターズ他、多くのアーティストとレコーディングしました。ホイットニー・ヒューストンともツアーをしています。同様に、BADツアーではミュージカル・ディレクターとしても同行しています。
Siedah Garrett(サイーダ・ギャレット) ‥‥ バックアップ・シンガー
サイーダにとっては初めての巡業となった『Dangerousツアー』。
彼女はマイケルのアルバム『BAD』で、『I Just Can't Stop Loving You』でマイケルとデュエットし、また『Man In The Mirror』をグレンバラードと共同制作し、マイケルと共に広範囲に仕事をしました。
ドナ・サマー、マドンナ、コモドアーズと共にセッションもしています。
デビューアルバム『Kiss Of Life』が1988年、Reprise/Qwestよりリリースされています。
その他のバックアップ・シンガー

 o ダリル・フィニスィー
 o ケビン・ドリアン・ホーリー(ケビン・ドーシー)
Bryan Loren(ブライアン・ローレン)
  キーボードとしてツアー参加することになっていましたが、彼自身のレコーディング計画のためキャンセル。いつかまたマイケルと仕事できるかしらね?

■THE STAGE SHOW■
ステージ

 創作はトム・フィリップスのオリジナルコンセプトに基づいて、マイケルによって洗練されました。
 サンディ・ギャリーとジム・モレーからもアイデアを取り入れ、それをプロダクションチームが実行したのです。
 ベニ・コリンズ(プロダクションコーディネーター)、クリスト・ラビット(プロダクションマネジャー)、ピート・ローズ(ライティングデザイナ-)、マイケル・ティト、その上創作デザインに関係したのは、ケニー・オルティガです。
 ケニーは、ショーディレクター兼 振付師です。彼が振付師としてクレジットされているのは、チューブス、グロリア・エステファン、そして映画の『Xanaclu』も含まれています。他にも映画『ダーティ・ダンシング』・『ニューズイズ』の振付もしています。

 このショーは、『Heal the World』の目的に調和して、誰もが年齢・人種・宗教に関係なく観客をもこのショーの一部として感じられるよう多くの層を成していて、アルバム『Dangerous』のジャケットカバーの構成の中へと引き込むのです。
 年齢・人種・宗教にとらわれない!! という事を強く呼びかけている。

 ヨーロッパでは様々な現場で同時にステージが建ちました。
 ステージは、幅260フィート・奥行90フィート。
 イギリスを本拠地とする Edwin Shirley Stagingがロサンゼルスでステージの練習を観ました。6人の代表者はコンピュータ・グラフィック・ファックスを通して変更・調節し、イギリスに送り返し、ステージがヨーロッパ中で様々な現場で組み立てられたのです。
 ステージの組み立てに18~24人が中心となり、加えてそれぞれの町で約40人の地元のステージ労働者を雇用しました。
 クルーが1日24時間働いても、組み立てに3日間・そして取り壊すのにも同じ時間がかかるのです。
 全部で1千トン以上の設備は、このショーのため飛行機でヨーロッパまで運びました。


■VIDEO■
映像

  • ビデオのディレクターは、グロリア・エステファンのワールドツアー『In to the Light』を手掛けたケイト・フェリスです。フェリスは、ビデオイメージのため信頼できる14人のスタッフを監督します。
  • 4つのカメラは、マイケルの全てのステップを捉え、ショーの間中使われます。
  • 22万5千ワットは、ビデオシステムを作動させるのに必要とされる電力です。
  • 映像は2つのジャンボスクリーンに映し出され、明るい陽の光の中でも見えるようにハッキリとした映像を出し、観客へと送り出されます。
  • デザインはソニーの会社で、スクリーンの大きさは高さが21フィート・幅14フィート、それぞれの重さは6メトリックトンです。
  • 2つの他のスクリーンは、Nocturneビデオのため、Stuartスクリーンによって建てられ、演出のために使われます。幅15フィート・高さ24フィートです。

■SOUND■

 サウンド技師は、BADツアーのクレジットにも含まれているケビン・エイソンとレナード・スカイナード、ジャニィとミスター・ビッグです。
  • サウンドシステムは、ケアー・ブロードによってデザインされました。サウンドはケビン・エイソンと技術者のケアー・ブロードによってデザインされた装置です。
  • サウンドのために115のセパレートチャンネルがあり、24万ワット近くパワーを発します。
  • それぞれのショーのため、約180セパレートサウンドキャビネットがあります。

■EFFECTS■
特殊効果

  • この演出のために特別にデザインされた、花火の明るく輝く眩しい光が配置されました。
  • およそ230の爆発に3ポンドの爆薬がそれぞれのショーの過程で終始使われます。
  • プロダクションコーディネーターのベニー・コリンズによると、「マイケルの想像している事は、世界で今まで見たこともないような芸術的で素晴らしいショーを提供する事で、それを達成することが私達の目的でもあります」。
  • 3つの異なったレーザーがショーの間中使われます。2つのKryptonと1つのArgohを基本にしたレーザーです。
  • レーザーは重量500Ibsの特別にデザインされたユニットを通して映し出します。そのユニットは長さ9フィート・幅4フィートです。
  • レーザーオペレーター兼デザイナーは、Laster Media会社のスコット・カニングハムです。

■LIGHTS■
照明

  • ライトデザイナーはピーター・モース、ライトディレクターはメール・クレーンです。
  • ライトコントラスターは、Light & Sound Design、バリーライツと Telesean。
  • ライトオペレーターは、メール・マクレーン(ディレクター)、ウォーリーン・フリー(バリーオペレーター)と、ジョン・マレマジャン。
  • 1つのショーに約103のバリーライトが使われています。
  • ライトの消費量は、およそ1.6メガワットです。

■POWER■
電力

  • 3つの発電機がそれぞれのショーのパワーに必要です。
  • 発電機は、最低2.4メガワットのパワーを提供し、これは1つの小さな町の電気を賄うほどのパワーとなります。
  • 10~15マイルのケーブルが必要となります。

■CREW■
クルー

 ツアーに参加している全クルーは約125人です。
  • 側近はアメリカから来る145人で構成され、ヨーロッパではクルーメンバーをピックアップし移動する間中補足し、総員235人となりました。
  • 約160人のバンドスタッフとクルーが全ツアーに最初から最後まで含まれています。
  • ヨーロッパではバンドとクルーは13台のバスで移動し、場所から場所へ約33台のトラックでステージを輸送し、18台のトラックで製品設備が移動されました。


■STAGE COSTUMES■
ステージ衣装

 マイケルは、ロサンゼルスのデザイナーであるデニス・トンプキンズ氏、マイケル・ブッシュ氏と多額な契約をしました。
 2人のデザイナーはごく最近、ライオネル・リッチーやエリザベス・テイラーと仕事をしました。
 マイケルの世界中を廻るDangerousツアーのための衣装一式の創作責任を託されたブッシュ氏は、
 「マイケルと一緒に仕事をするのはユニークな経験です」
と語っています。そして
 「彼は心に描いた事を表現します。非常に映像的な創造性を持ち合わせているのです。私達の一番の目的は、彼のアイデアを表現させることです。あなた達がステージで観るすべての物・すべての特殊技術は、彼のインスピレーションによって考え出されたものなのです。私達が断定できる事は、衣装について新しいことを開発しているという事です」。

 衣装のうち2つは、35,000ファイバーOpticsの光の点で覆われています。それはライティング効果をより魅了し創造します。
 2人はデザインの時、ライティングをコントロールする重さ40ポンド・高さ9フィート・幅7フィートのコンピューターを内蔵させたレーザーディスクを衣装に繋げなければなりませんでした。
 1つのコートは、36ストローブライトのパワーを提供し、3,000ボルトの電気を必要とします。そして怪我を防ぐために、それらは色々な処置をしなくてはなりません。3,000ボルトのエネルギーは、ベルトに隠し付けた15個のバッテリーで補給されているのです。
 他のコートは非常に珍しく、独特な素材のシーバス(ハタ科の海魚 スズキ等)と反射するライトテープ等で作られていて、花火(爆発物容器)を収容する秘密の袋がついています。
 ブッシュ氏の言うところによれば、
 「今まで見たこともないような装置が… そして特別な効果を出すために、あらゆる種類が使われているかな…」
とほのめかし、
 「これは大掛かりな仕事でした。服の型が見て美しいと思わせるだけでなく、装置を組み込ませても形良く見えるように、2つの要素を取り入れたデザインにしなくてはならなかったのです」。
 「マイケルは衣装に対しても基本的に、他には無いような外見を望んでいました」
と語ったのはトンプキンズ氏。そしてこうも語っています。
 「私達はたくさんの黒と金を使いました。もちろん18金です。その結果、他の誰もが着たことが無い程ほっそりしたスタイルになっています」。

 このツアーに使われる300着の衣装は、ロックンロールとルネッサンスを背景に、外で着れるというようなものに仕上がっています。
 ブッシュ氏は、
 「マイケルは、今まで誰も見たこともなく誰もやらない事をしたいと望んでいました。私達は彼の目標を達成するのに役立ったと自信を持っています」
と語り、話を終えました。

UPDATE - '07.10.10